近江商人といわれる商人は、滋賀県のほぼ全域から生まれたといっていいぐらいですが、その中で豪商と言われるほどの大金持ちになったのは、ほんのわずかでした。

その豪商がたくさん生まれたのが、最初が八幡商人(今の近江八幡)で、次が日野商人(今の日野町)、最後が今の五個荘から豊郷にまたがる湖東商人で、東近江地域に集中しています。
なぜこの地域に集中したのかについては、次回書きたいと思います。

八幡商人で有名なのは、西川甚五郎、伴傳兵衛、西村太郎右衛門、市田清兵衛など。

西川甚五郎は今の「ふとんの西川」の先祖です。


日野商人では、中井源佐衛門、正野玄三、矢尾喜兵衛、山中兵右衛門など。

中村源左衛門は西洋から学ぶことなく、複式簿記の原理で帳簿をつけることを発明しました。


湖東商人では、小林吟右衛門、塚本定右衛門、中村治兵衛、松居遊見、伊藤忠兵衛など。

伊藤忠兵衛はいうまでもなく今の伊藤忠商事の先祖です。中村治兵衛は有名な「三方よし」の教えを書き残した人です。


これら三つの地域には、いまの豪商の屋敷がいくつも残っており、近江商人記念館になったり、近江商人屋敷として一般に公開されたりしています。
 
上の写真は、東近江市の五個荘で毎年行われている「近江商人まつり」の様子です。