NHK Eテレ番組ディレクターが語る、本当の舞台裏、心が開く瞬間 | 藤沢あゆみオフィシャルブログ Powered by Ameba

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作家。著書29冊。相談30000件超。ananによる信頼できるカウンセラー20人の1人。NHKEテレハートネットTV出演。2023年4月「バズる!ハマる!売れる!集まる!WEB文章術 プロの仕掛け66」発売9日で増刷、7月18日枚方蔦屋書店で101人講演会開催

藤沢あゆみです。


NHK Eテレ「ハートネットTV」。
これまで2回アンコール放送され
いまでも、番組の反響をいただきます。



番組で、コンサルティングを撮影していただきました。
目の前でカメラを2時間ぶっ通しで構えられていました。


番組では、お客さまが涙を流して
自己開示されている場面が放映されました。


カメラが入って、あそこまでの自己開示をされていること。
お客さまの顔にモザイクなども入っていないことに驚いた、
というフィードバックをたくさんいただきました。


ずっと撮られながらあんな話ができたのはなぜか?
そこには、撮られていない時間の積み重ねがありました。
だからこその、あの時間、あの場面です。






あのとき、彼女の心が開く瞬間に立ち会われた
ディレクターさんはどんな思いだったのか。



宮下ディレクター自ら、コラムに書かれています。


このお客さまに、撮影許可を頂く前に、
お客さまとのコンサルティングの音声を、
了解をとって宮下さんに聞いていただいていました。


社会人としてまっとうであろうとすることに
疲れ果て会社を辞めた。
投資で1000万円もの財産をなくした。
起業に挫折した。


そんな状態で、制限ゼロ会議に申し込んでくれた
彼女との音声もそのなかのひとつ。



私は事前に、藤沢さんを通じて長谷川さんに了解を頂き、長谷川さんが初めて藤沢さんのコンサルティングを受けたときの録音を聞かせてもらっていました。


そのなかに印象的な場面がありました。


投資で全財産をなくしたあと、一時的に事務のパートをしていた長谷川さんは、周りで働くおばあさんや、就活がうまくいかなかった学生などに対して、「こんな人たちと一緒」と、内心思っていたそうです。


しかし長谷川さんが辞めるとき、同僚のパートの方が、わずかなお給料から、ハンカチを1枚プレゼントしてくれました。


そのとき彼女は、「ありがとうって、こういう気持ちなのか」と、人生で初めて感じたそうです。


お金をすべて失って、何者でもなくなったのに、それでも自分は生きていて、たった1枚のハンカチで、こんなにも感謝の気持ちが湧いてくる。


「それが、ゼロになって得た、いちばん大切なものだったと思います。」


録音のなかで、長谷川さんは、涙で言葉を詰まらせながら、しかし、とても透き通った声で話していました。



とても透き通った声。
確かにこの日、彼女はこの話をした後、
とてもスッキリされた感じがしました。


コンサルティングにきて、わたしと話して
自己開示された後、みなさんとてもスッキリされます。


「じゃあ、大好きなメルカリのこととかブログに書きましょうか!」


そんな話をして、その日は解散しました。
ですが、ちょっと気になっていたことがあります。


それは、まっとうな大人になりたいのに
なれなかったという彼女が、自分のことを


「人間のクズ」


といい
1000万円ものお金をどうして調達できたのと聞いた時の


「ずっと働いていてためていたのと、親をだまくらかしました」


という、突然現れる激しい言葉。


その理由が、宮下さんの取材の中でわかってきます。



「自分の劣等感の本当の原因は、子どもの頃からの嗜癖だと思います」


「その癖はある程度の年齢になると異常とみなされるので、親は脅したり、辱めを与えたり、身体的な痛みを与えたり・・・あらゆる手段でやめさせようとしました。


これまでの人生はその嗜癖によるマイナスポイントを挽回してプラスに転じ、親に愛されるため?の人生だったように思います。


挽回すれば同時に素晴らしい人にもなれて、愛されて、一般的にいわれるような『幸せ』にもなれると思っていましたから、挽回に並々ならぬエネルギーを注いだことは言うまでもありません。」


「異常な子ども」のままじゃだめだ・・・そんな思いが、大人になっても、長谷川さんを焦らせていたのでした。


私は、少し緊張しながら、長谷川さんに尋ねました。


「藤沢さんへのメールにあった『嗜癖』がどんなものか、聞いてもいいですか。」


長谷川さんは、答えてくれました。


その嗜癖とは、指をくわえること。
今は続けていませんが、大人になるまで、やめられなかったそうです。




そのクセがどんなものであるのか
わたしへのメールには書かれてませんでした。


ただ、どうしていまは止められたのか聞いた際


あるセッションを受け、そのクセこそが
甘えられなかったお母さんに甘えることの
代償になっていて、自分にとって大切なものだった
そのことがわかって納得したと話されていましたが


本当にスッキリされたのだだろうか?


と気になっていました。





もしも取材の日のわたしとの時間で
彼女がわたしにクセの話をできたら・・・


彼女はそれこそ制限を外せるのではないかと
わたしは思いました。


そして、収録の日。


指をくわえることは、自分にとって、大事だったんだ。
そう話す長谷川さんに、藤沢さんは、「指をくわえる行動じたいを、もし人にたとえるとしたら?」と尋ねました。


長谷川さんは、ゆっくり考えながら、言葉を絞り出していきました。


「大事な人…っていうか、ずっと、生まれてから、ずっと私に…なんていうんですかね…」


その次の言葉を言うとき、それまで冷静に、淡々と話していた彼女の顔が、くしゃっと崩れました。


「・・・寄り添ってくれてた。…ごめんなさい」


そこには、やさしい長谷川さんがいました。
涙でぐちゃぐちゃになりながら、子どもの頃の自分に、初めてやさしくできた彼女がいました。


尋ねることに徹していた藤沢さんが、初めて、アドバイスを1つしました。


「もう、罰さなくていいじゃないですか。
お勧めなのは・・・親指に、『今までありがとう』って、言ってあげてください。」



長谷川さんには一瞬のためらいもありませんでした。


「今までありがとう。」


彼女の思いが、あふれ出してきました。



あの場面には、そんな背景があったのです。





「できれば顔出しで、コンサルティングそのものを撮らせていただきたいです」
宮下さんから言われたとき
正直、そんなことにOKしてくださるお客さまって
いるのかなと思いました。



宮下さんは、彼女に会い、話を聞いた上で
顔出しで出てくれる交渉をされています。


それは、彼女が自分にOKを出す瞬間であったと思います。


あれから、メディアコンサルティングにも来てくれた彼女に、
わたしは、ブログを書くことを勧めました。


彼女は、ブログを精力的に書かれ
どんどん自分を開かれています。


待ち合わせに現れた彼女は
収録の日以上にかわいくなっていました。





よかった。


だけど・・・
番組を彼女がどんな思いで見て
いまどう思っているのか・・・
それを聞けないできました。


宮下さんが、彼女の許可を得て
彼女がどんなふうに生きてきたかも含めて
書いてくれたことで、ホッとしました。


ほんとうにほんとうに、写っていない瞬間に
鳥肌が立つようなことがいろいろあったんです。



これまで書けなかった、本当の舞台裏のお話。
宮下さん、ほんとうにありがとうございます。





宮下さんはこちらのWebに、自分自身のこと、
これまで取材出会われたひとのことを書かれています。



自分をつまらないやつだと思っていた。
それがどこから来たのかなども。
読んでいて胸が締め付けられそうになりました。


面白いひとになりたいって、わかります。


わたしは、たまたまコンプレックスとか
ひとと張り合うというかたちには出なかったけど


かわいいという人気者にはなれないから
面白い路線を極めモノマネや似顔絵で
クラスの面白いひとGPで1位になったりしました。


多くのひとが親に対していい子であろうとするところ
親には恵まれ、社会には指差された(と思い込んでいた)
わたしは


社会に受け入れられる自分に
自力でなるところがスタートでした。


ああ、宮下さんだからあの番組ができたんだ。
彼自身の繊細で葛藤し、戦ってきた過去こそが
今の仕事、ことばのひとつひとつに宿っている。



鳥肌が立つような文章に軽く嫉妬ですグラサン


宮下玲という名前の項目を全部読んでほしいです。


弱さこそ優しさだし、才能だし、
美しさであり、強さである。



そんなことを感じました。
きっと読んでくれたら、あなたも
宮下さんと長谷川さんのことが大好きになって
抱きしめたくなるんじゃないかな。


ここに引用させていただいた他にも
宮下さんのことばで、エピソードが語られています。


本当の舞台裏。どうぞ読んでみてください!


そして、長谷川さんありがとう。
いつかブログ、ご紹介させてね。



会いに来てくれてありがとう、愛してますおねがい