いま、死にたいと思っている、あなたへ | 藤沢あゆみオフィシャルブログ Powered by Ameba

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作家。著書29冊。相談30000件超。ananによる信頼できるカウンセラー20人の1人。NHKEテレハートネットTV出演。2023年4月「バズる!ハマる!売れる!集まる!WEB文章術 プロの仕掛け66」発売9日で増刷、7月18日枚方蔦屋書店で101人講演会開催

「あなたは、目の前に学校に行けない子供がいても
親のせいにするなと言いますか?」


そんなメッセージをいただきました。


いじめられて、学校に行けなくなった。
自殺予告もした。


そんな男の子に、かつて手紙を書きました。


2006年、楽天ブログに書きました。
未だにメッセージをよくいただきます。


まだフェイスブックやシェアなんてしくみもないころ
20人を超える仲間が、彼に手紙を書いてくれました。


もしも死にたいくらいなやんでる子供に

直接、話ができるなら
わたしは、こんなことを伝えたいと思っています。


宝石白   宝石白   宝石白


はじめまして、

わたしは、ふじさわあゆみといいます。


あなたにとどくかわからないけど、手紙を書かせてください。


あなたからの手紙は文部大臣さんにとどいたけど、わたしは
すべての大人、そして子どもたちへの手紙だと思って
今からお返事を書きます。

あなたが読んでくれるとうれしいな。

あなたの知っている人が、あなたに届けてくれるとうれしいな。

わたしの仕事は、本を書くことです。

あなたは、女の子を好きになったことがあるかな。


わたしは、あなたが大人になって人を好きになったとき
すてきなれんあいが出来るようになったり
なにかゆめを持ったとき読んでくれるような、本を書いています。


わたしは、あなたのように大変ないじめにあったことはありません。
だからあなたの気持ちがほんとうにはわからないかもしれないね。
ごめんね。


だけど、あなたはまわりの大人や友だちが自分の気持ちをわかってくれない
って書いていたから、わたしなりにわかろうとしている大人だということは
伝えさせてね。


そしてそんな大人の話しを聞いてみようかなと
思ってくれたらこのつづきを読んでください。


宝石白   宝石白   宝石白


わたしは、何度もいじめられそうになったことがあります。


クラスの一部の人がいじめたり、
知らない人に指されたことは何度かあります。


子供のとき、同じ子供から指を指されたから
大人になってからもじろじろ見る子供の目がこわかったの。
見られるのがこわかったから、わたしは今も人の顔が覚えられません。


というのはね。


わたしは死にたいほどいじめられたことはないけど
いじめられるようそはいっぱい持ったこともだったんだ。


なぜなら、血管しゅという病気で、顔がホラー映画に出てくる
キャラクターのように、半分真っ赤になってて2倍の大きさに
なっているような顔だったから。
それにスポーツが苦手で、動作がのろかったの。


いじめられる要素いっぱいだよね。
ちょっと友だちになりたくない感じだよね。


あなたは「僕のどこが悪いんですか?」って書いていたよね。

わたしは子供のとき、こう思っていたよ。
「わたしっていじめられてもふしぎじゃないな」


今は、勉強が出来たり、クラスの人気者になるような子が
いじめられたりするそうだね。


今になって思うけど、実はいじめられることに理由はないんだ。


なにかひとつでも、みんなと違っていて、みんながむかつくよねって
同意したら、今このしゅん間からもいじめは始められるよね。


いじめられるかもしれないことは、特別なことでもないし
恥ずかしいことでもないんだよ。


宝石白   宝石白   宝石白


わたしがいじめられなかった理由。
それはいじめられてもおかしくないと思っていたからだよ。


「このままではいじめられそうだから
みんなに好かれる要素を増やそう」って
自分から思って、わたしと友だちになった友だちが
喜んでくれそうなことを色々自分からやった。


一回転校生の子にいじめられそうになったことがあった。
その子は、まわりの子に「あゆみちゃんをみんなでいじめよう」と
わたしの友だちをさそおうとした。


わたしは、友だちからこういわれた。
「あの子があゆみちゃんをいじめようとさそってきたんだけど、
こっちがあの子をみんなでいじめない?」


わたしは、それをことわった。
「こっちがいじめ返したら、悪いのは自分じゃないのに
悪者になるから。わたしはあの子が好きじゃないけど、
いじめっ子になったら同じ価値になると思う」


いじめる子って、自分も悩んでいるんだね。


転校生の子は、自分がいじめられていたから、
自分より弱い子を作りたかっただけだったんだ。


いじめってきっかけはそんなもんだよね。
あなたが書いているように、罪悪感も反省もなく何気なく始めたことが
自分が仕返しされるのがこわいし、そう思う人が増えて集団になった分
大きな問題になって、ひとりをすごくキズつけられてしまうんだよね。


でもね、キズついているのはひとりじゃないかもしれないね。


宝石白   宝石白   宝石白


いま、わたしの仲間たちがあなたへ手紙を書いています。
「思いとどまってほしい」って。


自分の命をどうするかは、ほんとうは自由で
自殺することに、ほうりつで罪は問われません。


死ぬことも、死なないことも出来る。
あなたは、今も死ぬことをえらびたいのかな。


死んだらどうなるのか、自分が死んだらその結果を見ることは出来ないね。
あなたが書いているように、あなたをいじめた人は
反省しないで何年かしたら、あなたのことは忘れるのかな。
でも、それはわからないことだね。


そして、断言できることがある。

あなたのお父さんと、お母さんはぜったい悲しむって言うこと。


それから

死ななかったら、経験できた楽しいことがいっぱいあるということ。


宝石赤好きな子が出来ること。
宝石赤お父さんとお母さんを喜ばせることが出来るということ。
宝石赤まだあったことのない友だちに出会うこと。
宝石赤今いる場所の人には、必要とされていないと思っているかもしれないけど、まだ見ぬ人があなたを必要とすること。
宝石赤仕事をして、お金をもうけて、好きなものを買ったり、おいしい物を食べること。
宝石赤行ったことがない場所に旅行が出来ること。
宝石赤見たこともない面白いテレビや、マンガや、映画を見ること。

宝石白   宝石白   宝石白


悩んでいるときは、自分のいる場所だけがぜんぶで
それ以外考えられなくて、自分の生きている場所だって思っちゃうよね。


実はね、わたしはいじめで死のうと思ったことはないけど
生きることがつらくて死にたいと思ったことはあった。
大人になってからだけど。


仕事もなくして、生活するお金もなくなって、病気になって、
恋人もいなくなって、人にうらぎられて・・・
わたしは、生きている場所がなくなったと思った。


でもね。
生きている場所なんて色々あるじゃん。


わたしにはお姉さんがいるけど
お姉さんはわたしとぜんぜん違うくらしをしている。
わたしの友だちも、わたしと違うくらしをしている。


わたしの今まで信じてきたことは、全部ダメになったけど
たとえば今からお姉さんと同じようなくらしをしようと思ったら
新しい人生になるんだね、って思ったんだ。

そう思ったとき、わたしは死ぬのはやめようと思った。


実はそのときわたしは死にそうな重い病気になったのだけど
それでも死ななかったのは、死なずにやれることが
あるからじゃないかなと思った。


わたしはそのとき決意した。


社会に、わたしがいた意味を残す仕事をしたいって。


夢を持ったのは、死にたいと思ったときだった。


宝石白   宝石白   宝石白


ちょっとむずかしいかな。

だけど聞いてほしい。


あなたの今いる場所だけが、あなたの場所じゃないんだよ。


たとえば、あなたが転校したら?

学校に行くのをやめたら?

あなたのいる場所はきっと変わる。


いいや、実は今いる場所にいても
あなたの気持ちが少し変われば違う場所になる。


なにかを変えたら生きられそうだともし思うのなら
まわりの大人に話してみてください。
変えてほしいことがあれば説得してみてください。

それは逃げることではありません。


だけど、場所を変わるだけじゃ逃げたことになるよ。
今のかんきょうを変えて、あなたはこれからどうしたいのか。
あれだけの手紙がかけるあなたなら、きっと書けると思います。


あなたが今死ぬことは、他人のための人生になっちゃうよ。

もしあなたがその人たちをやっつけることが出来たら
今度はあなたがいじめっ子になる。


もしあなたが、いじめに勝ちたいのなら。
いじめてる人がどうかは関係がない


あなたが幸せになることだよ。


宝石白   宝石白   宝石白


わたしにも殺したいくらいにくかった人がいた。


だけどね。


殺すことは、そのにくい人のための人生になるから。

それよりも、自分が幸せになればいいと思った。


だまされたお金は返ってこないけど
これからもっとお金もうけをしたらいいと思った。


友だちとちょっと違う顔に生まれて大変だったけど
この顔だったからこその幸せをつかめばいいと思った。


そして、わたしはゆめをかなえました。


わたしが本を書いているのは

友達を作るのにも大変だったから
友達の作り方をみんなに教えてあげられるからだよ。


あなたは、いま、将来の夢を持つチャンスを手にしています。

そう、つらいことこそが夢のタネなんです。


今がどう見られていても、これからあう人に
すてきな人だと思われて、人気者になれる方法はあるのです。
あなたが、本気でそうしたいと思えば。


あなたの手紙に、ほんとうに、たくさんの死にたいと悩んでいる人の
気持ちを、代わりに言ってくれたと思ってる人もいると思います。


あなたには、世の中を動かす力があるんだよ。

あなたは、世の中に必要とされる人です。


あなたに会ったことがない大人が、あなたを必死で引きとめています。


命をどうするかはあなたの自由だけど
大人のひとりとして言わせてください。


どうかどうか
今が少しでも楽になる方法を考えてみてください。


そして、まわりの大人に伝えてください。


想像がつかないかもしれないけど
この先には、あなたの知らない幸せが
たくさんあるのだと伝えさせてください。


あなたの幸せを、願わせてください。
たくさんの、仲間といっしょに。



2006、11、10


ふじさわあゆみ



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