あゆみです
女優の大原麗子さんが、なくなりました。
358回目のモテゾーは
大原麗子さん、死去
「20代後半ぐらいでしょ? 背はそんなに高くないわね。平均か、それより低いぐらい。体も細そうね」。
2008年11月、大原麗子さんは自宅ガレージで転倒、右手首骨折などの重傷を負います。
そのとき自宅のインターホン越しに直撃取材した記者の外見を、大原さんはズバリ言い当てました。驚く記者に、
「ふふふ、防犯カメラは使ってないわよ。長年女優の仕事をしていると、声を聞いただけで、その人の“なり”が分かるの」
大原さんは、10年前から手足に力が入らなくなるギラン・バレー症候群を患い、表舞台から遠ざかっていました。そしてほんとうは何度も再発して手術をしたりしていたけど、同じ病気の人がいるから怖がらせないようにと、密かに治療を続けていたそうです。
「乳がんの手術を受けたし、うつ病にもなった」
インターホン越しに涙声で明かしました。
「どんな症状が出るんですか?」
「どんな感じで辛いんですか?」
そう聞いた記者に思わず声を荒らげた大原さん。
「なんでそんなこと聞くの。おもしろ、おかしく書かれたくないの。同じ病気で苦しんでいる人がいるんだから」
そのあと、落ち着いた口調でこういいました。
「本当は歩くのもやっとなの。でもね、それを公にすると、同じく闘病生活を送る人が不安になるでしょ。ペンの力って、すごく大きいものなのよ。お願いだから、いい記事を書いてね」
衰えぬ女優魂と、苦しみの中で周りを気遣う姿勢。ほんとうに、きれいな方でした。森進一さんと別れたとき、森さんが「家に男が二人いた」といい、大原さん自身も取材で「麗子は男なの」と答えていたのを覚えています。
あんなにきゃしゃでかわいらしい人なのに男気のある姉さんでした。
「麗子ちゃんがひとりになる前に、話し相手になってあげればよかった。もっと相談にのってあげたかった」
夏木陽介さん(俳優)
「本当に魅力的なマドンナでした。キラキラ光るまなざしや、独特の甘い声にはスタッフまでがうっとりしたものです」
山田洋次さん(映画監督)
「いい女優さんは宝物。亡くなるなんて思いもしなかった。残念としかいえない」
山田太一さん(脚本家)
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どんなにすてきな人も、すべての人は永遠じゃない・・・そんなことを思い知らされます。だけど、すてきだった事実は永遠です。
一度聴いたら忘れられないあの声、やさしいけど強いまなざし、あなたがいたことを、忘れないでいたいと思います。
ご冥福を、お祈りします。ほんとうにほんとうに、生まれてきてくれてありがとうございました。
「少し愛して、ながーく愛して」 by 大原麗子
永遠に、愛してま~す。