和文化・おもてなしマナー講師の安達和子です
私は着物で過ごすことが多いので
「たくさん着物を持っているのですね」と
聞かれることも良くあります
実は、着物を着ていると
良いことも多く
着物をいただけることがあるのです(笑)
(おでん屋さんのおかみさんからいただいた着物と帯)
「いつも着物を着ているけど、着なくなったものを着てくれる」
「母が亡くなり整理していたらたくさん着物があったのだけど」
「お嫁入りのとき母が用意してくれた着物があるのだけど
売っても二束三文だから
大切に着てくれる人にお願いしたいの」と…
確かに着ない着物👘
タンスに眠っている家も多いことでしょう
有難いことです
また、リサイクルに出しても
安く買い取られてしまうようで
それなら私にと💖
有難くいただき
もちろんお母様の思いや下さった方への
思いも大切にしながら着ています
(友人のお母様の着物)
今日は、この売っても二束三文だから・・・
二束三文の話をしますね
「二束三文」とは
「値段が非常に安いこと」を意味する四字熟語です。
数が多いものの
ただ同然の安値しかつかないことをいいます
「二束三文」の語源は
「金剛草履」にあるそうです
江戸時代の初めごろ
金剛草履というわらじが「二束で三文」の
値段で売られていましたが
「一足二文」で売ったところ売れなかったため
「二足で三文」にしたら
よく売れたということに由来するそうです
「金剛草履」とは
「藺(い)や藁」などで作った丈夫な草履のことです。
では「三文」はいくらだったのでしょう
現代の貨幣価値へ変換すると
100円ほどのようですが・・・
江戸時代に使われていた貨幣には
「金貨」「銀貨」「銭貨」の3つがあり
銭貨の単位として使われていたのが
「文」でした。
時代が変わるにつれて貨幣価値も変わるため
「三文はいくら?」を断定することはできないようです
江戸時代に「十六文」で売られていたお蕎麦を
今のお金で考えてみます
駅蕎麦だと「300円」で「一文約19円」
お蕎麦屋さんのもり蕎麦なら「600円」で「一文約38円」
天ぷら蕎麦は「1,000円」で「一文約63円」となるので
お蕎麦の値段で考えると一文は約19~63円であるため
三文は約57円~189円だったのですね
「二束三文」は
良いイメージの言葉ではありませんが・・・
でも、二束三文で引き取ってもらうより
私に着てほしいという気持ちは
心から嬉しく思います
(友人からいただいた着物)
これからも着る度に
いただいた方の思いを感じ
着物を着ていきたいと思います
お読みいただき嬉しく思います
ありがとうございました
一般社団法人大和撫子和乃会