女と猫は執念深いという説があるけれども、どうなんだろう。マダムロセスさまのブログに「粘着体質」なんていうのが出ていたけれども、男にも粘着気質の人はたくさんいる。

けれども、男と女ではどうも粘着の仕方が違うようだ。

粘着する対象も違うのでは?男は「原理原則」とか「哲学」とかそういう抽象的なもの、あるいは仕組みとか形とかについての執着は異常に高くなりやすい。収集癖が強いのは男性が多いし、国家の理念とやらになんと一生をささげることも珍しくない。オタクなんていうのも女性も多いけど男性はもっと多い。

一方女性はどうかというと、女性はもう少し実利的なので哲学や真理やアニメのフィギュアは、まぁおいておいて、とにかく今日の生活が大切だ。ところが、過去の出来事、それも感情が絡む出来事に関しては非常に執着が強い。多くの女性は楽しかったことも苦しかったことも嫌なことも、子供のころまで遡って思い出すことができるようだ。そういう意味では粘着質だし、執念深いと言えないことも無い。

けれども女性の「執念」は個人の内部に向かっているので、これが原因で戦争が起こったり政治が混乱したりという悲劇にはなりにくい。もし起こるとすれば、どちらかというと心中とか刃傷沙汰とか個人的な事件になるのだろう。

一方男の場合には理念が対立する場合、相手が消滅するまで争いを止めることができないので、これは凄惨な戦いになってしまう。

男も女もどっちも執念深いことには変わりは無い。執念は人間にはとても大切な心の働きだ。これが無かったら苦しくなったときに「なにくそ!」と踏ん張ることができない。

でも女性と男性ではその働き方は大きく異なっているようだ。まぁ執念も大切なものだろうけれども、過ぎたるは及ばざるが如し。自分の執念が自分を苦しめることも良くあることだ。男も女も怒りに身を任せず、時々振り返ってみるのが良いのだろう。