視覚障害者にとっても、駅のホームドアの設置は希望するところでもある。
 大都市の駅からホームドアの設置が進んでいる。
 これは1日の上行脚が10万人以上の駅から実施するという目標があるからである。
 いわゆる交通バリアフリー法では
1日の上行脚が5千人以上の駅にバリアフリー科が実施されてきている。
エレベーターやエスカレーターの設置、手すり、音声案内などである。
それにホームドアやホーム柵が加えられている。
 その後に交通バリアフリー法では1日の上行脚が3千人以上に代わったから
たくさんの駅が対象になった。
 三原市ではJR山陽本線に3つの駅がある。
糸崎駅、三原駅、本郷駅である。
JR呉線に二つの駅がある。
須波駅と安芸幸崎駅である。

対象となっているのは三原駅だ。
その後に新しく改築された本郷駅である。
この二つの駅にはエレベーターなどが設置されている。
 糸崎駅や須波駅、安芸幸崎駅にはない。
むしろ、無人化の問題がある。
 三原駅の新幹線ホームもエレベーターを乗り継いで辿り着ける。
 後でできた新幹線新尾道駅は初めからホームまで行くのにエレベーターが設置されていた。
 だから車いすでの利用の方は新幹線の三原駅より新尾道駅が利用しやすかったようだ。
三原市からわざわざ尾道市に行って新幹線に載ったのであろう。
 現在は新幹線の三原駅もホームまでエレベーターを乗り継いでいける。
 1日の上行脚あるいは乗客が10万人以上の駅となると大都市
つまり東京や名古屋、大阪、京都、福岡などが早くホーム柵やホームドアが着くことになる。
 広島県では新幹線の広島駅ホームにホーム柵がついている程度である
 新交通システムのアストラムラインは
初めからホーム柵とホームドアはある。
これは広島市にある新交通システムである
 地方の都市の駅は1日の上行脚の数からみて
後回しになるのである。
 三原駅にホーム柵が付くのはいつのことやら。
 都営地下鉄は全駅にホーム柵とホームドアが付いたという。
いいことである。
予算も必要だし利用客が多いところから突くのは当然かもしれない。
昨日、こんな記事があった

都営地下鉄の全駅にホーム柵が設置完了したという記事である。

なぜ都営地下鉄は全駅にホームドアを設置したのか? 20億円だった車両改修コストを約
270万円まで削減できた背景とは

都営地下鉄のホームドア整備達成

 都営浅草線西馬込駅のホームドア運用開始により、東京都が管理する地下鉄全駅でのホームドア設置が完了した。

 また、京成電鉄と共同で整備を進めている押上駅へのホームドア設置も2025年2月20日に完了する予定で、すでに開業している三田線、大江戸線、新宿線と合わせると、都営地下鉄全106駅でのホームドア設置が完了することになる。

 都営地下鉄のホームドア設置の歴史は古く、1989(平成元)年に高島平駅(三田線)に設置されたのを皮切りに、2000年には三田線全駅にホームドアが完成した。これは、日本の地下鉄営業路線では初めての取り組みであった。

転落事故のリスクとホームドアの効果

 なぜ東京都交通局は、そこまでして都営地下鉄の全駅にホームドアを設置したのか。最大の理由は

「安全対策」である。

「東京都交通局経営計画2013」の「実績(3カ年)の総括的概要」によると、安全・安心を確保するために大江戸線全線にホームドアを設置したことが報告されており、ウェブサイトにも安全対策としてホームドアの設置が掲載されている。

 国土交通省のホームドア設置に関するワーキンググループの報告書によると、全国の駅ホームからの転落事故件数は2014年がピークで3673件と決して少なくない。

 同報告書では、東京メトロ丸ノ内線(2007年完成)と有楽町線(2013年完成)のホームドア設置について、

「整備完了後には、列車乗降時に列車とホームの隙間に足を踏み外して転落した事象は発生したものの、それ以外の転落及び転落による遅延は発生していない」

としている。

 ホームドア設置率100%の都営地下鉄では、設置以降、転落事故は発生していない。転落事故防止に極めて有効である。さて、安全確保に大きな効果を発揮しているホームドアは、どのような仕組みで稼働しているのだろうか。

車両機器設置の課題

 一般的に設置されているホームドアは、ホームと車両の両方に装置が設置されている。これは、車両とホームドアとの間で無線で情報をやりとりすることでドアを開閉するシステムだからだ。

 例えば、都営地下鉄の三田線、大江戸線、新宿線で採用されているシステムは、無線通信によって、

・編成車両数
・車両ドア数
・ドアの開閉状況

など、ドアの開閉に必要な情報をやりとりし、連動してドアが開閉するようになっている。

 このシステムの最大の課題は、車両への機器の設置である。スペースが限られた車両に必要な機器を設置する必要がある。車両によっては設置が困難なものもあり、設置工事には長い工期を要する。

 また、相互直通運転が多い駅では、他社が使用している車両に機器を設置する必要があり、工期とコストが増大する。都営地下鉄浅草線の相互直通運転は、ホームドア設置の大きなハードルだった。


 では、なぜ全線にホームドアを設置できたのだろうか。

特許公開で他社も追随

 採用されたシステムは、世界初のQRコードシステムである。ドアの開閉に必要な情報が記載されたQRコードを印刷し、車両のドアに貼り付ける。

 ホームに設置されたカメラが到着列車ごとにQRコードを読み取り、取得した情報をもとに列車のドア開閉に合わせてホームドアを開閉する。このシステムは、車両に機器を設置する必要がなく、QRコードをドアに貼り付けるだけなので、他社の車両にも対応できる。

 なによりコストが大幅に削減できる。都営地下鉄の場合、20億円かかっていた車両改修費を約270万円に抑えることに成功したというから驚きだ。このQRコードシステムの登場により、ホームドアの設置が加速することが期待される。

 東京都交通局は、デンソーウェーブ(愛知県阿久比町)と共同開発したQRコードを用いたホームドア開閉連動技術について、特許をオープンにしている。これにより、他の鉄道事業者もホームドア設置を推進しやすくなる。小田急電鉄はQRコード式ホームドアを導入し始めている

 ホームドアの設置により転落事故が激減し、鉄道の安全運行に大きく貢献した。設置のハードルを越えるQRコードを使った新システムは、さらなる普及が期待される。今後、さらに安全性を高めた新しいタイプのホームドアが登場するかもしれない。しかし、安全性に比例してコストが上がれば、普及にブレーキがかかる。


 そこで必要なのがアイデア力である。紹介した都営地下鉄のQRコードシステムのように、既存の技術を革新的なアイデアで応用し、低コストで安全設備の普及を可能にする施策は、鉄道業界をさらに発展させるだろう。