珍しい噺を聴くことが出来ました。
 

◇「つづら」   五街道雲助
 

先代の金原亭馬生師匠が演っていた噺だそうです。
別名「つづらの間男」。
速記も残っていない珍しい噺。
戦前八代目桂文治などが演じていたものの戦中は禁演となり、戦後になって演じ手もなく廃れてしまったのを十代目金原亭馬生が練り直して高座にかけたものを雲助師匠が受け継いだという。
雲助師匠も仰っていましたが、間男の噺なので・・・。
 

左官の吉造は、博打でたちの悪い借金をつくってしまいました。
金策に成田に出かけようとすると、同じ長屋の荒物屋のおばさんが吉造に言うには、じつは吉造の女房のおかねと質屋「伊勢屋」の主人が間男をしているというのです。
驚いた良造が家に帰ってみると、玄関には男物の下駄が。
亭主の留守に伊勢屋が上がり込んでいたようです。
部屋にあるつづらに伊勢屋が隠れていることに気がついた吉造がつづらを開けようとすると、おかねが必死にそれを止めます。
血なまぐさくなりそうな、はらはらさせられる緊張感に満ちた場面ですが、女房のおかねの機転で難を逃れます。
・・・しかしまぁ、テーマが間男だからなぁ。
博打と借金と間男を認めているような・・・。