不思議なことに、私は上方落語は聴きませんが、上方漫才はよく聴いていました。
というより、幼い頃は、落語よりも漫才が好きでしたから、東西を問わず笑っていました。
当時、人気絶頂だったグループのひとつが「かしまし娘」でした。
「かしましい(姦しい)」という言葉の意味も、初めて知りました。
三姉妹の次女の正司照枝さんが亡くなったそうです。
享年91。
昨年、姉の正司歌江さんも亡くなったばかりでした。

1956年「かしまし娘」(結成時カシマシ娘)を歌江、花江と結成。
58年には松竹芸能所属タレントの第1号となり、民放テレビ普及の勢いにも乗って人気を獲得。
66年には上方漫才大賞を受賞。
芸風は歌江が三味線、照枝と花江がギターを持ち、民謡、歌謡曲などをおもしろおかしく弾き語るネタが定番。

テーマソングの「うちら陽気なかしまし娘~、誰が言ったか知らないが~」で締めくくるパターンが多かった。

基本ボケ。
かすれた野太い悪声が売りで、ソロで歌わせてもらえないオチで笑いを誘った。
かしまし娘が結成25周年を迎えて81年に活動を休止すると、ソロとして活動。
松竹新喜劇に入り、藤山寛美の指導を受けた。
87年の退団後はタレント、女優として活躍し、近年では17年のTBSドラマ「陸王」に出演するなどしていた。
ところで、他の2人が「歌江」と「花江」なのに、ご本人の芸名は「照枝」だったんですね。
世代交代と言ってしまえばそれきりですが、また昭和の人気者がいなくなりました。
ご冥福を祈ります。