仙台に行くのに、駅に向かっています。

◇「藪医者」 五代目柳家小さん

はやらない藪医者先生。

あまりにも患者が来ないので考えたあげくに、奉公人の権助をサクラに使うことを思いつきます。

権助に玄関前で患者の使いのふりをさせて「こちらの先生はご名医という評判で……」と大声を張り上げれば、評判が立つだろうという計画。

正直な田舎者の権助は、この策略のせいで間違って患者が来たら可哀そうだと気乗りしませんが、芝居をすることになりました。

「お〜頼み申しますでのう」玄関先で大声をはりあげる権助に医者は「どおれ、いずれから」と応対しますが。

上方では「金玉医者」という、実にストレートな、品のない演目の噺。

五代目(柳家小さん師匠)は、先日、再度読了した「御乱心」では、懐の深い、人間が大きい人物として描かれていました。
確かに、現在の柳派の隆盛は、この師匠なくしては語れません。
ご自身の後、小三治師匠・市馬師匠、そしてさん喬師匠と、お弟子さんが落語協会の会長を務めている・・・。