色々なことを考えたり、思い出したりしていて、後年、巷間で「落語協会分裂騒動」と言われるようになった、出来事の頃が浮かんで来ます。

勿論、当時私はまた地方の大学の一学生で、大人の世界のことなど知る由もなかったのですが、騒動の舞台のかなり重要な場面1つとして、我が落研が出て来たときのこと。
古本を買いました。
その三遊亭圓丈師匠の著書「御乱心」の中庸に、当時のことが生々しく登場して来る。

大量真打昇進などを巡って、三遊亭圓生師匠が決起した、落語協会からの脱退と新協会設立の企てこそが、「落語協会分裂騒動」。

この騒動のど真ん中に、我々が主催した落語会があり、本書の著者の圓丈師匠が、仙台から様々な動きをしている場面です。

1978(昭和53)年5月13日(土)、仙台市民会館で開催の「圓生独演会」。
本書の60ページから、その日と翌日のことが詳しく書かれています。

あの日の圓生師匠は、厳格な師匠というイメージばなく、ニコニコして快活で、とても明るい様子でした。
圓丈師匠の真打昇進披露口上も、「文七元結」や「妾馬」の高座も素晴らしかった。

(ついでに、私は開口一番を務めました。)

全くの門外漢ではあるけれども、歴史の1ページをすれ違った通行人Aとして、特に、落研の後輩たちには伝えておきたいと思います。