松戸出身の雷門小助六さんが、先日ご逝去された春風亭小柳枝師匠の思い出をSNSで披露されていました。

その中で、小柳枝師匠の最初の師匠の四代目柳好師匠のことに触れた部分が、とても心に響きました。

小柳枝師匠が若い頃に「時そば」の中に新しいくすぐりを入れてみた事があったそうです。

その時に柳好師匠に言われたのが、「欲張っちゃぁいけねぇぞ」。

それともう一つ、「落語を信じなさい」。

この二つは呑むとよく若手に仰っていたので師匠の中でも大切な言葉だったのではないでしょうか。

とにかく受けようとして、噺に関係なくくすぐりを入れようとする若手が多いと思います。

ほとんどが滑ってしまっています。

とにかく受ければよいという、大道芸がルーツの上方の落語や漫才やコントではないのですから、粋に上品に行くがよし・・だと思います。

落語を信じて、欲張らず忠実に語ることが、どれほど大切か・・、これは僭越ながら、アマチュアの私でも本当によく分かります。

そして私(小助六さん)が小柳枝師匠の仰った言葉で一番印象に残っているのは、「落語ってのは人間万歳、人間賛歌なんだよ」。

まさにそれを体現されている師匠でした。

・・・確かに、「人間の業」というよりも、「人間万歳」「人間讃歌」の方がピンと来るかもしれません。

同じようなことを、柳家小三治師匠は「無理にウケさせようとしなくていいんだよ」、桂文朝師匠は「落語の力を信じなさい」と仰っていたそうです。