今日は、「第23回深川三流亭」です。
準備をしながら聴くことにしました。

◇「湯屋番」  五代目柳家小さん

小さんワールドが広がります。

ゲストが銭湯好きということから、この演目が選ばれたようです。

大家(たいけ)の若旦那、遊びが過ぎて勘当中で、出入りの大工職人の熊五郎の家の2階に居候の身の上。

何もしないで食っちゃ寝てばかりいるので、熊さんの女房は迷惑だ。女房にせっつかれ、熊さんは若旦那に湯屋へ奉公を勧める。
紹介状を持って奴湯へ来た若旦那、早速女湯の入口から入ろうとする。

湯屋の鉄五郎に外回りで、リヤカーを引いておが屑、かんな屑を集める仕事と言われた若旦那、もちろんノーで番台に座ると言い出す。

ちょうど昼飯時で、その間鉄さんの代わりに番台に座ることになった若旦那、鉄さんが下りてないのに番台に上がろうとする喜びようだ。
さて、番台に上がって早速、女湯を眺めるもこれがガラガラ、それに引きかえ男湯は混んでいる。

汚いケツ、毛むくじゃらの足のオンパレードで色気も何もあったもんじゃない。あてがはずれた若旦那、こうなりゃ自分の妄想の世界にどっぷりと入るしかない。

夕方、どこかの大会社の社長の2号さんが女中の清と一緒に湯屋に来て若旦那を見初める。

ある日、若旦那が2号さんの家の前を通ると清が見つける。

「今日は釜が壊れて早じまい」じゃ色っぽくないから、「母の墓参り」にしよう。

すると2号さんが泳ぐように出てきて家の中に引っ張り込まれる。

若旦那は自分の手を引っ張って痛い、痛いと大騒ぎだ。

湯の客も番台の一人芝居に気づき面白がって見物だ。
座敷にあがった若旦那、2号さんと酒を差しつ差されつ。

その内、やらずの雨から雷がゴロゴロ、2号さんは怖がって蚊帳の中へ、すると雷がカリカリと鳴った途端、近所に落ちる。

2号さんは癪を起して気を失う。若旦那、盃洗の水を口から口への口移し。
2号さん(芝居がかりになり) 「まあ、今の水のうまかったこと、雷さまは怖くとも、あたしにとっては結びの神」
「さては今のはそら癪か」
「うれしゅうござんす番頭さん」と佳境に入る。
見ている客は夢中になって、軽石で顔をこすって血だらけになったりしている。

すると若旦那は頭をポカポカとぶたれる。
「馬鹿、てめえが間抜けなこと言っているから俺の下駄がどこかへ行っちまった」
「そこの柾の下駄をはいてらっしゃい」

「で、どうすんだい」
「順々にはかせて、一番しまいは裸足(はだし)で帰します」

・・・この噺、「樂醉寄席」でリクエストされていますので・・・そのうちに。
しかし、おかしいなぁ。

文化放送のSNSの予告は、小さん師匠ではなくて、志ん生師匠だったので、志ん生師匠が「湯屋番」なんて珍しいなぁ・・と思っていました。

文化放送がよくやるミスですね。