一昨日、落語芸術協会の春風亭かけ橋さんの二つ目昇進記念落語会が開催されたそうです。
 

二つ目さんの、しかも落語芸術協会の噺家さんの落語会が注目されているのには訳があります。

というのは、このかけ橋さん、かつては「柳家小かじ」で落語協会の二つ目さんでしたが、師匠の三三さんから破門され、落語芸術協会の春風亭柳橋門下に移り、何と前座からやり直し、今般晴れて二つ目に昇進したという、異色の経歴だから。

これが当日のプログラムですが、驚くのは、かけ橋さんを破門した三三さんがゲスト出演し、しかも口上にも座っている・・・。
2012年に柳家三三に入門。
2016年二ツ目昇進したのちに三三さんから破門され、2018年7月に落語芸術協会の春風亭柳橋に前座として弟子入り。
2022年二ツ目に昇進。 
「破門」と聞くと、極めてネガティブで、後味の悪いイメージ。
しかも、ちょうど今、落語協会では師匠のパワハラや暴力、破門・・が大問題になっているので、信じられない光景です。
破門になったのは、本人曰く「未熟で迷惑ばかりかけた師匠に申し訳が立たないと自らやめた」ということですが、そうは言っても、それなりの波風は起こっていたことでしょう・・・。
移籍の経緯は、柳家三三さんが春風亭柳橋さんに電話した後に浅草演芸ホールの楽屋に訪ねていって、弟子の移籍をお願いしたことから実現したそうです。 
かけ橋さんは、楽屋であった柳橋さんの対応の優しさに心を動かされ、柳橋門への移籍を希望し、三三さんがそれを聞き入れ、師匠みずからお願いに行ったということだそうです。
その際に、柳橋さんが弟子として受け入れるのに出した条件は、前座修業からというもの。 
そんな経緯もあって、今回、二人の師匠が脇を固めた、実におめでたい披露の会になったということです。

三三さんは、自身のツイッターで、かつての弟子に言葉を贈っていました。
まずは、めでたしめでたし。