科学の進歩というのは凄まじいものです。
昔、昭和の終わり頃には、若い人が欲しがる物と言えば、車(バイク)とオーディオ機器(ステレオ)でした。
当時はまだアナログ全盛、というか、究極のアナログメカに、若い人たちは狂喜し、憧れたものです。
オーディオについて、私は詳しくありませんが、大手電気メーカーが独自のオーディオブランドを持っていたり、レコードプレーヤーならどこ、アンプならどこ、スピーカーならどこなどと、得意な分野や技術を持つメーカーが割拠していました。
トリオ、サンスイ、パイオニア、アカイ、ティアック、ケンウッド、ラックス・・・。
ところが、デジタル化が急速に進んで、これら老舗メーカーは軒並み姿を消してしまいました。
考えてみれば、部屋一杯に置いていたオーディオ機器を、今では手のひらに乗るスマホが、完全に凌駕し、駆逐してしまったんですね。
そのかつての栄光をほしいままにしていた老舗メーカーのひとつが「オンキョー」てした。
文字通り、"音に聞く”有名メーカーでした。
ご多分に漏れず、経営不振が続いていたそうですが、とうとう資金繰りに行き詰まって経営破綻し、自己破産となったそうです。
・・・時代の流れだと言えばそれまでですが、寂しいものです。
もう20年以上前のことてすが、仕事の関係で、スピーカーを作っているという小さなメーカーの社長と話したことがありました。
当時、この町工場では、携帯電話に内蔵されるスピーカーを作っていました。
専門的なことは分かりませんが、失礼ながらこんなところで、そんなに先進的な物をと、驚かされました。
と同時に、昔ながらのスピーカーメーカーは大変だろうなぁと。
デジタル化で、なくなってしまったり、極端に価格が安くなった物といえば、恐らくカメラと時計が典型だと思いますが、オーディオも入れて御三家と言えるかもしれません。
今、そんなことを考えながら、手元にはスマホで動画を視聴しながら投稿しています。
オンキョーのスピーカーからの音は、もう聴かれなくなるんです。
なぞかけしちゃいました。
「経営破綻したオンキョー」とかけて
「落語"幇間腹"の幇間の一八」と解く
その心は「どちらも鳴りませんでした」