師匠が創作された「鬼子母神 藪中の蕎麦」は、雑司が谷の鬼子母神を舞台にした民話をベースにしたもの。

「池袋親子読書会」が2010年に発刊し、「雑司が谷鬼子母神」の参道にある「雑司が谷案内処」で販売されていた「すすきみみずく」という絵本です。

豊島区に残っている民話のひとつです。

鬼子母神のお堂に住んでいる一羽のみみずくが語る、親孝行な女の子と鬼子母神との関わりを描いたもの。

10歳の女の子「くめ」ちゃんは、お父さんが仕事の怪我が元で亡くなってしまい、代わってお母さんが一生懸命働いていましたが、お母さんも身体を壊して、重い病気になってしまいました。

くめちゃんは、お母さんの看護をしながら、ご近所のお手伝いなどをして働きましたが、お母さんの病気は重くなるばかり。
そこで、鬼子母神にお百度参りすることにしました。

雨の日も風の日も欠かさずに、鬼子母神にお参りしていると、満願の夜に、くめちゃんの夢に鬼子母神の化身の蝶が現れて、「すすきの穂でみみずくを作ってお堂の前で売りなさい」というお告げ・・・。

師匠の噺は、こんなくめちゃんと、参道脇の藪の中に店を出している蕎麦屋とその常連の男との関わり合いを人情豊かに描きます。