4月になりました。
空室発生以来タヌキメイトからは何の連絡もありませんでした。
昨年の開業以来空室とは無縁だったので一旦空室が発生すると太郎さんは落ち着かなくなりました。
今年に入ってから立て続けに税金を払わねばならなくなり、その結果貯蓄が目減りしてきているのも心配の種となっています。
でも、太郎さんは自分の物件に自信を持っていたのですぐに決まると思っていたのです。
週末になる度に太郎さんは蔵居さんに電話しました。
「はい、タヌキメイトです」
「カモネギ太郎です。僕の部屋決まりましたか?」
「申し訳ありません。未だ問い合わせを頂いておりません」
「そうかあ、退去してからもう3週間も経つのにダメですかあ」
「太郎様、私どもも頑張っていますが生憎、繁忙期をすぎて来客そのものが非常に少ない状況です。一生懸命頑張ってますので今しばらくお待ちください」
太郎さんは言いました。
「蔵居さんはいつもそんな言い訳ばかりしているね」
「太郎様、先日も申し上げましたが現在の募集条件は厳しいと思います。家賃の見直しと礼金をゼロにしていただければ私どもも客付け業者に営業し易くなるのですが、ご検討いただけないでしょうか」
「黙れ、僕の物件はで新築同然のデザイナーズなんだから礼金は取れるはずだ。決まらないのはタヌキメイトがさぼっているに決まっている。今の条件は絶対買えないからな」
太郎さんはそんな捨てセリフを言って電話を切りました。
電話が終わった後、蔵居さんは泣きながら香森店長に言いました
「店長、また太郎さんからお叱りの電話がありました」
「そうか、またか。太郎さんは電話で煽るだけで満室になるとおもっているんだから」
「はい、今の家賃はこの近辺の相場から見ると高すぎます。家賃を最低でも1万円値下げしないと苦戦すると思います。そのことを申し上げても太郎さんは新築だからとかデザイナーズだからとか言って聞き入れて貰えません」
「我々も、地元の業者に客付けお願いしているけど、この家賃だとゲラゲラポイだもんなあ」
「そうだねえ。まあしばらくは太郎さんが値下げを受けるまでは放置プレイしておこう」
「店長、でも毎週の太郎さんからの電話を受けるのがつらいです。しくしく」
「まあ、耐えるしかないね。頑張ろう」
「ハイ、しくしく」
まあ、泣かないで。そうだ終業後いつものところで一杯やろう。
はい。
そういって二人は仕事を終えてから連れ立ってあるところに向かったのでした。
つづく



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