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太郎さんたちは次の電車を待つ間、カフェでコーヒーとケーキを頼んで一休みしました。

「太郎君、見学させて頂きありがとう。でも、いろいろな問題をがあるねえ」

「アニキ、花子もそう思う。たった一年だけどすごく古くなった印象だったわ」

太郎さんは二人に言われるまでもなく同じことを感じていました。

 

「そうだねえ。僕も一年間こちらに来なかったのでこんなになっているなんて知らなかった」

 

「え。一年間こちらに来てなかったの?」

茂助さん、花子さんはびっくりしました。

どうりで、築2年目と言えない程荒れていた理由がわかりました。

誰もが新築だからといって業者丸投げで現場を把握していなかったからです。




 

「はい、日常管理はタヌキメイトに依頼しているし、ずっと満室だったもので僕が行く必要は全くなかったのです。

だからまさかこんな状態になっているとは思ってもいなかったんです」

 

そう答えてから太郎さんは早速携帯でタヌキメイトの蔵居さんを呼び出しました。

そして建物の清掃が良くない事、雑草だらけになっていることを伝えました。

「そうでしたか。どうもすいません。それじゃ業者に良く言い聞かせます」

蔵居さんは続けて太郎さんに言いました。

「それと、雑草の件ですがこちらは清掃の契約に含まれておりません。我々が担当するのはアパート内部の共用部、ゴミ置き場、駐輪場のみなっています。ですから雑草除去などは別料金となっています」

「えっ、そうなのかあ」

「はい太郎様、契約書にてご確認お願いします」

 

やはり、タヌキメイトも業者に丸投げで現状を確認していなかったのでした。

太郎さんは、全ての清掃が契約に含まれていると思い込んでいました。

 

結局双方とも現場にも行って確認していいなかったのでした。

 

「なんていい加減な管理会社だ。客付けも弱いし管理もいい加減だ。太郎さんはイライラしてそう言いました」

 

その時、茂助さんから思わぬ言葉が発せられたのです。

「太郎さん、落ち着きなさい。管理会社のせいにしただけでは問題は解決しないよ」

 

「やはりオーナーがきちんと定期的に現場に行かないからこの様になっても問題に気が付かないのだ。管理会社を責める前に太郎さんが反省すべきだよ」

 

茂助さんは続けます。

 

「今回、初めて現地に来たけど今の状態を見ると周りは新築の大型物件ばかり。太郎君のアパートはその中に埋もれているのでデザインの良さがわからない。

その上、建物の手入れが悪いんだからこんなことじゃ内見者があっても敬遠されてしまうよ。

 

「確かにそうですね」

太郎さんはため息交じりでこう答えました。

 


太郎君、まずは、自分でこの状況を直さなければダメだよ。

もちろん共用部の清掃はタヌキメイトの仕事だけど、それが終わるのを待っているわけにはいかない。

 

だから今回は、自分で業者を手配して全面的に清掃し雑草を抜かなければいけないね。

「そうだね、アニキ。すぐに業者を探して依頼しようよ」

花子さんも同意しました。

 

「いや、それは無理です」

太郎さんは苦し気にそう言いました。

 

どうして、太郎さんは無理だと言ったのでしょうか?

 

続く

   

 
 
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