『えぇー!!棚橋さん戻ってくるんですかー!?』

 

これは決してスタッフの喜びの声ではない。

 

『棚橋さん、いつから来るんですか!?』

 

『何カ月くらい担当するんですか!?』

 

そんなこと私にわかるわけがない。スタッフには実害は無いはずだが…やはりあの

粘着質な性格と脂ぎった顔、そして狂気を帯びた目つき。好感を抱く人間は少ないだろう。そして、スタッフ以上に困ったのは他ならぬオーナーの私だった。私は契約更新を翌年に控え、様々な課題を課されていた。更新には当然、担当SVの推薦も必要になる。以前の担当期間中、無理難題を押し付け、私を怒らせて追い込むべく挑発を繰り返した棚橋。執拗な攻撃にも屈しなかった私を面白く思っていないことは判っている。有ること無いこと上に報告することは目に見えていた…

 

『どうする!』

 

契約を更新してもらえなければ、一家全員路頭に迷うことになる。慄きつつも、私は頭の中で対応策をめぐらし始める。いたずらに恐れても仕方ない。まずは相手の出方を見る。私は震えながら棚橋の赴任を待った。(つづく)