
まず「血液」をサラサラにするためには、一日一食でもいいので、一汁三菜スタイルで栄養バランスのいい食事をすることが大切です。メインディッシュにオススメなのは、不飽和脂肪酸を含む青魚や、オレイン酸の豊富な豚肉。副菜にはビタミンCたっぷりのトマトや、硫化アリルを含む玉ねぎを使った料理を。また、納豆や豆腐など、大豆ペプチドを多く含む大豆製品もオススメです。これらの食材を毎日の食事にとり入れて、健康的な食生活をこころがけましょう。

大豆たんぱくに含まれるペプチドは、血中コレステロールを正常にコントロールするはたらきを持ちます。また、高血圧の原因となるナトリウムを体外に排泄する役割も果たします。さらに、大豆には脂質の一種であるレシチンやリノール酸が含まれ、これらは血管内でコレステロールが固まるのを予防したり、悪玉コレステロールを減らすはたらきを持っています。
「畑のお肉」と呼ばれるほど栄養満点の大豆。なかでも高い健康効果が話題となっているのは黒大豆。黒い皮に含まれるポリフェノールが高い抗酸化作用を持つため、「血液」をキレイにする効果が高いと言われています。
私は毎日一品、必ず大豆製品をとるようにしています。とり入れやすいのは、豆腐や豆乳、ゆばなどの大豆製品。お味噌も大豆の加工品なので、味噌汁を飲むだけでもOK。なお、油揚げや厚揚げはカロリーが高めなので、料理の前に油抜きをするといいでしょう。

大豆を発酵させてつくる納豆には、大豆本来の栄養素に加えて、発酵途中に納豆菌が作り出すナットウキナーゼという成分が含まれています。この成分は血栓を溶かす作用が強く、一説には医薬品の血栓溶解剤と同様のはたらきをすると言われています。また、発酵によって大豆たんぱくがより消化しやすい状態になり、ビタミンB2も大豆の数倍にアップします。
滋養強壮や抗ガン効果にも優れている、と言われるナットウキナーゼ。飛行機に長時間座り続けることで血栓が生じる「エコノミークラス症候群」を防ぐ効果があることも発表されています。
納豆の栄養効果は、発酵が進むほど強くなると言われているので、賞味期限ギリギリくらいに食べるといいでしょう。また、納豆の血栓溶解作用は最大10時間続くと言われています。血栓は明け方できやすいので、朝食よりも夕食に食べることをオススメします。

サバやアジ、イワシ、サンマなどの青魚には、EPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)という不飽和脂肪酸が多く含まれています。これらは血液中の中性脂肪値やコレステロール値を減らし、「血液」をサラサラにする効果があります。血流がスムーズになることで血栓が作られにくくなり、脳梗塞や心筋梗塞、動脈硬化の予防にもなります。
北極圏で暮らすイヌイットは肉食中心の生活にも関わらず、「血液」の疾患が少ないことで知られています。その食生活を調べたところ、主食とするアザラシの肉にEPAが多いことがわかり、EPAの本格的な研究が始まったのです。
脂がのった旬の青魚は、EPAやDHAがより豊富に含まれています。調理法は焼くか煮るかが一般的ですが、私は野菜と一緒に炒めるのが好き。栄養バランスがぐんとよくなりますよ。また、生食も不飽和脂肪酸を効率よく摂取できる食べ方。鮮度のいい青魚は、ぜひお刺身で。

豚肉には健康なカラダに欠かせない良質なたんぱく質が多く含まれます。また、悪者扱いされがちな脂肪部分には、不飽和脂肪酸であるオレイン酸が豊富。オリーブオイルの主成分でもあるこのオレイン酸には高い抗酸化作用があり、過酸化脂質が生じるのを抑えてくれます。さらに、LDLだけを下げてHDLは下げないという長所も持っているのです。
豚肉には、イライラ解消に効果のあるビタミンB1、脳のはたらきを活発にするビタミンB12も豊富。さらにオレイン酸は、髪や肌の保湿効果も認められています。キレイになりたい女性やストレスの多い現代人にぴったりの食材です。
栄養満点の豚肉ですが、バラ肉のような脂肪の多い部位はなるべく避けましょう。魚焼きグリルで調理するなど、余分な脂肪を落とす調理法もオススメです。コレステロール値を下げる食物繊維を豊富に含むきのこ類や根菜を一緒に食べると、血液サラサラ効果が高まりますよ。

ビタミンの宝庫といわれるトマト。細胞をつなぐコラーゲンを作り、老朽化した「血管」を丈夫に保ってくれるビタミンCや、脂質の新陳代謝に役立つビタミンB6が含まれています。また、毛細血管を丈夫にするビタミンPやルチン、悪玉コレステロールの酸化を防止するリコピンなども豊富。「血液」を健康に保ち、動脈硬化などにも高い効果を発揮します。
リコピンは色素成分の一種で、トマトを赤くするはたらきを持ちます。完熟した色の濃いトマトほどより栄養効果が高くなるので、買うときはなるべくきれいな赤色のものを選びましょう。
トマトは加熱調理すると、リコピンの吸収率が高まります。私はよく炒め物に使いますが、トマトの水気がソースがわりになっておいしいですよ。トマトピューレや缶詰などの加工品でも、血液サラサラ効果は得られます。忙しいときはトマトジュースでもいいんですよ。

玉ねぎを切ったときに涙を誘う成分は硫化アリルと呼ばれるもので、血小板の凝固を防ぎ、「血管」にたまった脂の汚れを落とす効果があります。ねぎ類には共通して含まれる成分ですが、とくに玉ねぎの硫化アリルは血液サラサラ効果が抜群。また、玉ねぎの皮に多く含まれる色素成分ケルセチンは、悪玉コレステロールの酸化を防止するはたらきを持ちます。
玉ねぎにはセレンという成分が含まれます。これは体内に微量しか存在しないミネラルの一種で、ビタミンEに匹敵する強い抗酸化作用があります。セレンが不足すると細胞の老化が進むので、アンチエイジング食材としても重宝します。
加熱するときは、なるべく大きめにカットしましょう。栄養を効率よく摂取でき、素材のうまみや甘みも味わえます。サラダなどの生食もオススメ。ただし、水にさらし過ぎると、栄養成分が溶け出てしまうので要注意。新玉ねぎは辛みが少ないので、ぜひそのまま食べましょう。
大豆製品や青魚、豚肉、野菜、ネギ類のほかにも、さまざまな食材に、「血管」にやさしい成分が含まれます。
そこで、健やかな「血管」に欠かせない栄養素や食品成分と、それを主に含む食材をご紹介します。

◎は抗酸化作用のある食材、☆は抗血栓作用のある食材です。

監修
「家族で楽しめる身体にやさしいレシピ」を数多く提案。
さまざまなメディアで生活習慣病予防の栄養指導や健康メニューの提案を行っている。
健康になるための食生活や栄養に関する著書も多数出版。
プライベートでは小学生の男の子のママ。
血管を若返らせる、食生活
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