自由に動くことのできる電子が正電荷のある物体付近を通過するときに減速か加速をして電磁波を出す。
これを「自由-自由遷移」と言う。電子が自由に動き回れる状態なので、水素で言うと電離した状態、つまりプラズマになっている。
水素プラズマが見られるのはHⅡ領域である。
電子は熱によって運動した状態であり、連続的なスペクトルを示す。そして正電荷により「制動」を受ける。よって「熱制動放射」とも言う。制動は車の制動距離の「制動」(ブレーキ)をイメージするとわかりやすい。
対して「束縛-束縛遷移」は原子スペクトルで見られ、放出されるエネルギーは離散的なので線スペクトルを示す。
ちなみにbremsstrahlung「熱制動放射」はbremsen「減速」Strahlung「放射」からなるドイツ語に由来している。bremsenはbrake「ブレーキ」と共に共通のゲルマン祖語(*brako)に由来する。
bremsstrahlungに「熱」という意味合いは含まれていないようである。