海事代理士試験;5船員法3/3 | もころぐ

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第九章 年少船員
(未成年者の行為能力)
第八十四条 未成年者が船員となるには、法定代理人の許可を受けなければならない。
② 前項の許可を受けた者は、雇入契約に関しては、成年者と同一の行為能力を有する。
(年少船員の就業制限)
第八十五条 船舶所有者は、年齢十六年未満の者を船員として使用してはならない。ただし、同一の家庭に属する者のみを使用する船舶については、この限りでない。
② 船舶所有者は、年齢十八年未満の船員を危険な船内作業又は当該船員の安全及び衛生上有害な作業に従事させてはならない。
③ 船舶所有者は、年齢十八年未満の者を船員として使用しようとするときは、その者の船員手帳に国土交通大臣の認証を受けなければならない。
④ 前項の認証に関し必要な事項は、国土交通省令でこれを定める。
(年少船員の夜間労働の禁止)
第八十六条 船舶所有者は、年齢十八年未満の船員を午後八時から翌日の午前五時までの間において作業に従事させてはならない。ただし、国土交通省令の定める場合において午前零時から午前五時までの間を含む連続した九時間の休息をさせるときは、この限りでない。
② 前項の規定は、第六十八条第一項第一号の作業に従事させる場合には、これを適用しない。
③ 第一項の規定は、漁船及び船舶所有者と同一の家庭に属する者のみを使用する船舶については、これを適用しない。
第九章の二 女子船員
(妊産婦の就業制限)
第八十七条 船舶所有者は、妊娠中の女子を船内で使用してはならない。
② 船舶所有者は、出産後八週間を経過しない女子を船内で使用してはならない。ただし、出産後六週間を経過した女子が船内で作業に従事することを申し出た場合において、その者の母性保護上支障がないと医師が認めたときは、この限りでない。
③ 船舶所有者は、第一項ただし書の規定に基づき、妊娠中の女子を船内で作業に従事させる場合において、その女子の申出があつたときは、その者を軽易な作業に従事させなければならない。
第八十八条 船舶所有者は、国土交通省令で定めるところにより、妊娠中又は出産後一年以内の女子(以下「妊産婦」という。)の船員を国土交通省令で定める母性保護上有害な作業に従事させてはならない。
(妊産婦の労働時間及び休日の特例)
第八十八条の二 第六十一条、第六十四条から第六十五条の二まで、第六十五条の三第三項、第六十六条、第六十八条第一項及び第七十一条から第七十三条までの規定は、妊産婦の船員については、これを適用しない。
第八十八条の二の二 船舶所有者は、妊産婦の船員を第六十条第一項の規定による労働時間の制限を超えて作業に従事させてはならない。
第八十八条の三 船舶所有者は、妊産婦の船員に一週間について少なくとも一日の休日(第六十二条第一項の規定により与えられる補償休日を除く。)を与えなければならない。
(妊産婦の夜間労働の制限)
第八十八条の四 船舶所有者は、妊産婦の船員を午後八時から翌日の午前五時までの間において作業に従事させてはならない。ただし、国土交通省令で定める場合において、これと異なる時刻の間において午前零時前後にわたり連続して九時間休息させるときは、この限りでない。
(妊産婦以外の女子船員の就業制限)
第八十八条の六 船舶所有者は、妊産婦以外の女子の船員を第八十八条に規定する作業のうち国土交通省令で定める女子の妊娠又は出産に係る機能に有害なものに従事させてはならない。
(生理日における就業制限)
第八十八条の七 船舶所有者は、生理日における就業が著しく困難な女子の船員の請求があつたときは、その者を生理日において作業に従事させてはならない。
(適用範囲)
第八十八条の八 この章の規定は、船舶所有者と同一の家庭に属する者のみを使用する船舶については、これを適用しない。
第十章 災害補償
(療養補償)
第八十九条 船員が職務上負傷し、又は疾病にかかつたときは、船舶所有者は、その負傷又は疾病がなおるまで、その費用で療養を施し、又は療養に必要な費用を負担しなければならない。
② 船員が雇入契約存続中職務外で負傷し、又は疾病にかかつたときは、船舶所有者は、三箇月の範囲内において、その費用で療養を施し、又は療養に必要な費用を負担しなければならない。但し、その負傷又は疾病につき船員に故意又は重大な過失のあつたときは、この限りでない。
第九十条 前条の療養は、次の各号のものとする。
一 診察
二 薬剤又は治療材料の支給
三 処置、手術その他の治療
四 居宅における療養上の管理及びその療養に伴う世話その他の看護
五 病院又は診療所への入院及びその療養に伴う世話その他の看護
六 治療に必要な自宅以外の場所への収容(食料の支給を含む。)
七 移送
(傷病手当及び予後手当)
第九十一条 船員が職務上負傷し、又は疾病にかかつたときは、船舶所有者は、四箇月の範囲内においてその負傷又は疾病がなおるまで毎月一回、国土交通省令の定める報酬(以下標準報酬という。)の月額に相当する額の傷病手当を支払い、その四箇月が経過してもその負傷又は疾病がなおらないときは、そのなおるまで毎月一回、標準報酬の月額の百分の六十に相当する額の傷病手当を支払わなければならない。
② 船舶所有者は、前項の負傷又は疾病がなおつた後遅滞なく、標準報酬の月額の百分の六十に相当する額の予後手当を支払わなければならない。
③ 前二項の規定は、負傷又は疾病につき船員に故意又は重大な過失のあつたときは、これを適用しない。
(障害手当)
第九十二条 船員の職務上の負傷又は疾病がなおつた場合において、なおその船員の身体に障害が存するときは、船舶所有者は、なおつた後遅滞なく、標準報酬の月額に障害の程度に応じ別表に定める月数を乗じて得た額の障害手当を支払わなければならない。但し、その負傷又は疾病につき船員に故意又は重大な過失のあつたときは、この限りでない。
(行方不明手当)
第九十二条の二 船舶所有者は、船員が職務上行方不明となつたときは、三箇月の範囲内において、行方不明期間中毎月一回、国土交通省令の定める被扶養者に標準報酬の月額に相当する額の行方不明手当を支払わなければならない。但し、行方不明の期間が一箇月に満たない場合は、この限りでない。
(遺族手当)
第九十三条 船員が職務上死亡したときは、船舶所有者は、遅滞なく、国土交通省令の定める遺族に標準報酬の月額の三十六箇月分に相当する額の遺族手当を支払わなければならない。船員が職務上の負傷又は疾病に因り死亡したときも同様とする。
(葬祭料)
第九十四条 船員が職務上死亡したときは、船舶所有者は、遅滞なく、国土交通省令の定める遺族で葬祭を行う者に標準報酬の月額の二箇月分に相当する額の葬祭料を支払わなければならない。船員が職務上の負傷又は疾病に因り死亡したときも同様とする。
(他の給付との関係)
第九十五条 第八十九条から前条までの規定により療養又は費用、手当若しくは葬祭料の支払(以下災害補償と総称する。)を受くべき者が、その災害補償を受くべき事由と同一の事由により労働者災害補償保険法(昭和二十二年法律第五十号)若しくは船員保険法による保険給付又は国土交通省令で指定する法令に基いて災害補償に相当する給付を受くべきときは、船舶所有者は、災害補償の責を免れる。
(審査及び仲裁)
第九十六条 職務上の負傷、疾病、行方不明又は死亡の認定、療養の方法、災害補償の金額の決定その他災害補償の実施に関して異議のある者は、国土交通大臣に対して審査又は事件の仲裁を申し立てることができる。
第十一章 就業規則
(就業規則の作成及び届出)
第九十七条 常時十人以上の船員を使用する船舶所有者は、国土交通省令の定めるところにより、次の事項について就業規則を作成し、これを国土交通大臣に届け出なければならない。これを変更したときも同様とする。
一 給料その他の報酬
二 労働時間
三 休日及び休暇
四 定員
② 前項の船舶所有者は、次の事項について就業規則を作成したときは、これを国土交通大臣に届け出なければならない。これを変更したときも同様とする。
一 食料並びに安全及び衛生
二 被服及び日用品
三 陸上における宿泊休養医療及び慰安の施設
四 災害補償
五 失業手当、雇止手当及び退職手当
六 送還
七 教育
八 賞罰
九 その他の労働条件
③ 船舶所有者を構成員とする団体で法人たるものは、その構成員たる第一項の船舶所有者について適用される就業規則を作成して、これを届け出ることができる。その変更についても同様とする。
④ 前項の規定による届出があつたときは、同項に規定する船舶所有者は、当該就業規則の作成及びその作成又は変更の届出をしなくてもよい。
⑤ 第一項乃至第三項の規定による届出には、第九十八条の規定により聴いた意見を記載した書面を添附しなければならない。
(就業規則の作成の手続)
第九十八条 船舶所有者又は前条第三項に規定する団体は、就業規則を作成し、又は変更するには、その就業規則の適用される船舶所有者の使用する船員の過半数で組織する労働組合があるときは、その労働組合、船員の過半数で組織する労働組合がないときは、船員の過半数を代表する者の意見を聴かなければならない。
(就業規則の監督)
第九十九条 国土交通大臣は、法令又は労働協約に違反する就業規則の変更を命ずることができる。
② 国土交通大臣は、就業規則が不当であると認めるときは、交通政策審議会又は地方運輸局に置かれる政令で定める審議会(以下「交通政策審議会等」という。)の議を経て、その変更を命ずることができる。
(就業規則の効力)
第百条 就業規則で定める基準に達しない労働条件を定める雇入契約は、その部分については、無効とする。この場合には、雇入契約は、その無効の部分については、就業規則で定める基準に達する労働条件を定めたものとみなす。
第十一章の二 船員の労働条件等の検査等
(定期検査)
第百条の二 総トン数五百トン以上の日本船舶(漁船その他国土交通省令で定める特別の用途に供される船舶を除く。以下「特定船舶」という。)の船舶所有者は、当該特定船舶を初めて本邦の港と本邦以外の地域の港との間又は本邦以外の地域の各港間の航海(以下「国際航海」という。)に従事させようとするときは、当該特定船舶に係る船員の労働条件、安全衛生その他の労働環境及び療養補償(以下「労働条件等」という。)について、国土交通大臣又は第百条の十二の規定により国土交通大臣の登録を受けた者(以下「登録検査機関」という。)の行う定期検査を受けなければならない。次条第一項の海上労働証書又は第百条の六第三項の臨時海上労働証書の交付を受けた特定船舶をその有効期間満了後も国際航海に従事させようとするときも、同様とする。
2 前項の検査は、特定船舶以外の日本船舶(漁船その他同項の国土交通省令で定める特別の用途に供される船舶を除く。)であつて、国際航海に従事させようとするものについても、船舶所有者の申請により実施することができる。
(海上労働証書)
第百条の三 国土交通大臣は、国土交通大臣又は登録検査機関が前条第一項の検査の結果当該船舶が次に掲げる要件の全てに適合すると認めたときは、当該船舶の船舶所有者に対し、海上労働証書を交付しなければならない。
2 前項の海上労働証書(以下「海上労働証書」という。)の有効期間は、五年とする。
3 前条第一項後段の検査の結果第一項の規定による海上労働証書の交付を受けることができる特定船舶であつて、国土交通省令で定める事由により従前の海上労働証書の有効期間が満了するまでの間において当該検査に係る海上労働証書の交付を受けることができなかつたものについては、従前の海上労働証書の有効期間は、前項の規定にかかわらず、当該検査に係る海上労働証書が交付される日又は従前の海上労働証書の有効期間が満了する日の翌日から起算して五月を経過する日のいずれか早い日までの期間とする。
4 前二項の規定にかかわらず、海上労働証書の交付を受けた船舶の船舶所有者の変更があつたときは、当該船舶に交付された海上労働証書の有効期間は、その変更があつた日に満了したものとみなす。
5 次に掲げる場合における海上労働証書の有効期間は、第二項の規定にかかわらず、従前の海上労働証書の有効期間が満了する日の翌日から起算して五年を経過する日までの期間とする。
一 従前の海上労働証書の有効期間が満了する日前三月以内に受けた前条第一項後段の検査に係る海上労働証書の交付を受けたとき。
二 従前の海上労働証書の有効期間について第三項の規定の適用があつたとき。
(中間検査)
第百条の四 海上労働証書の交付を受けた船舶の船舶所有者は、当該海上労働証書の有効期間中において国土交通省令で定める時期に、当該船舶に係る船員の労働条件等について国土交通大臣又は登録検査機関の行う中間検査を受けなければならない。
(海上労働証書の効力の停止)
第百条の五 国土交通大臣は、国土交通大臣又は登録検査機関が前条の検査の結果当該船舶が第百条の三第一項各号に掲げる要件のいずれかに適合していないと認めたときは、当該要件に適合するために必要な措置が講じられたものと認めるまでの間、当該船舶に交付された海上労働証書の効力を停止するものとする。
(臨時海上労働証書)
第百条の六 特定船舶の船舶所有者は、当該特定船舶について船舶所有者の変更があつたことその他の国土交通省令で定める事由により有効な海上労働証書の交付を受けていない当該特定船舶を臨時に国際航海に従事させようとするときは、当該特定船舶に係る船員の労働条件等について、国土交通大臣又は登録検査機関の行う検査を受けなければならない。
2 前項の検査は、特定船舶以外の日本船舶であつて、前項の国土交通省令で定める事由により有効な海上労働証書の交付を受けていないものを臨時に国際航海に従事させようとするものについても、船舶所有者の申請により実施することができる。
3 国土交通大臣は、国土交通大臣又は登録検査機関が第一項の検査の結果当該船舶が次に掲げる要件の全てに適合すると認めたときは、当該船舶の船舶所有者に対し、臨時海上労働証書を交付しなければならない。
4 前項の臨時海上労働証書(以下「臨時海上労働証書」という。)の有効期間は、六月とする。ただし、その有効期間は、当該船舶の船舶所有者が当該船舶について海上労働証書の交付を受けたときは、満了したものとみなす。
5 第百条の三第四項の規定は、臨時海上労働証書について準用する。
(特定船舶の航行)
第百条の七 特定船舶は、有効な海上労働証書又は臨時海上労働証書の交付を受けているものでなければ、国際航海に従事させてはならない。
(海上労働証書等の備置き)
第百条の八 海上労働証書又は臨時海上労働証書の交付を受けた特定船舶の船舶所有者は、当該特定船舶内に、国土交通省令で定めるところにより、これらの証書を備え置かなければならない。
(再検査)
第百条の九 第百条の二第一項、第百条の四又は第百条の六第一項の検査(以下「法定検査」という。)の結果に不服がある者は、その結果に関する通知を受けた日の翌日から起算して三十日以内に、その理由を記載した文書を添えて国土交通大臣に再検査を申請することができる。
2 法定検査又は前項の再検査の結果に不服がある者は、その取消しの訴えを提起することができる。
3 再検査を申請した者は、国土交通大臣の許可を受けた後でなければ関係する帳簿書類その他の物件の現状を変更してはならない。
4 法定検査の結果に不服がある者は、第一項及び第二項の規定によることによつてのみこれを争うことができる。
(証書の返納命令)
第百条の十 国土交通大臣は、海上労働証書の交付を受けた船舶が、第百条の三第一項各号に掲げる要件のいずれかに適合しなくなつたと認めるときは、当該船舶の船舶所有者に対し、海上労働証書の返納を命ずることができる。
2 国土交通大臣は、臨時海上労働証書の交付を受けた船舶が、第百条の六第三項各号に掲げる要件のいずれかに適合しなくなつたと認めるときは、当該船舶の船舶所有者に対し、臨時海上労働証書の返納を命ずることができる。
(国土交通省令への委任)
第百条の十一 法定検査の申請書の様式、法定検査の実施方法その他法定検査に関し必要な事項並びに海上労働証書及び臨時海上労働証書の様式、これらの証書の交付、再交付及び書換えその他これらの証書に関し必要な事項は、国土交通省令で定める。
第十一章の三 登録検査機関
(登録)
第百条の十二 第百条の二第一項の規定による登録(以下単に「登録」という。)は、法定検査を行おうとする者の申請により行う。
2 国土交通大臣は、前項の規定により登録の申請をした者(以下この項及び次項において「登録申請者」という。)が次に掲げる要件の全てに適合しているときは、その登録をしなければならない。この場合において、登録に関して必要な手続は、国土交通省令で定める。
一 次に掲げる条件のいずれかに適合する知識経験を有する者(第百条の十七において「検査員」という。)が検査を実施すること。
3 国土交通大臣は、登録申請者が、次の各号のいずれかに該当するときは、登録をしてはならない。
4 登録は、登録検査機関登録簿に次に掲げる事項を記載してするものとする。
一 登録年月日及び登録番号
二 登録を受けた者の氏名又は名称及び住所並びに法人にあつては、その代表者の氏名
三 登録を受けた者が検査を行う事業所の所在地
四 前三号に掲げるもののほか、国土交通省令で定める事項
(登録の更新)
第百条の十三 登録は、三年を下らない政令で定める期間ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によつて、その効力を失う。
2 前条の規定は、前項の登録の更新について準用する。
(検査の義務)
第百条の十四 登録検査機関は、検査を行うことを求められたときは、正当な理由がある場合を除き、遅滞なく、検査を行わなければならない。
2 登録検査機関は、公正に、かつ、第百条の十二第二項第一号に掲げる要件に適合する方法により検査を行わなければならない。
(登録事項の変更の届出)
第百条の十五 登録検査機関は、第百条の十二第四項第二号から第四号までに掲げる事項を変更しようとするときは、変更しようとする日の二週間前までに、国土交通大臣に届け出なければならない。
(検査業務規程)
第百条の十六 登録検査機関は、検査業務の開始前に、検査業務の実施に関する規程(以下この章において「検査業務規程」という。)を定め、国土交通大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
2 国土交通大臣は、前項の認可をした検査業務規程が検査業務の適正かつ確実な実施上不適当となつたと認めるときは、登録検査機関(外国にある事務所において検査業務を行う登録検査機関(以下「外国登録検査機関」という。)を除く。)に対し、その検査業務規程を変更すべきことを命ずることができる。
3 検査業務規程には、検査業務の実施方法、専任の管理責任者の選任その他の検査業務の信頼性を確保するための措置、検査に関する料金その他の国土交通省令で定める事項を定めておかなければならない。
(検査員)
第百条の十七 登録検査機関は、検査員を選任したときは、その日から十五日以内に、国土交通大臣にその旨を届け出なければならない。これを変更したときも、同様とする。
2 国土交通大臣は、検査員が、この法律、この法律に基づく命令若しくは処分若しくは前条第一項の規定により認可を受けた検査業務規程に違反する行為をしたとき、又は検査業務に関し著しく不適当な行為をしたときは、登録検査機関(外国登録検査機関を除く。)に対し、検査員の解任を命ずることができる。
3 前項の規定による命令により検査員の職を解任され、解任の日から二年を経過しない者は、検査員となることができない。
(役員及び職員の公務員たる性質)
第百条の十八 登録検査機関の役員及び職員で検査業務に従事するものは、刑法(明治四十年法律第四十五号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。
(財務諸表等の備付け及び閲覧等)
第百条の十九 登録検査機関は、毎事業年度経過後三月以内に、当該事業年度の財産目録、貸借対照表及び損益計算書又は収支計算書並びに事業報告書(その作成に代えて電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によつては認識することができない方式で作られる記録であつて、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下この条において同じ。)の作成がされている場合における当該電磁的記録を含む。次項、第百条の二十六第二項第四号及び第百三十三条の二において「財務諸表等」という。)を作成し、国土交通大臣に提出するとともに、五年間事務所に備えて置かなければならない。
2 船舶所有者その他の利害関係人は、登録検査機関の業務時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。ただし、第二号又は第四号の請求をするには、登録検査機関の定めた費用を支払わなければならない。
(業務の休廃止)
第百条の二十 登録検査機関は、国土交通大臣の許可を受けなければ、検査業務の全部又は一部を休止し、又は廃止してはならない。
(適合命令)
第百条の二十一 国土交通大臣は、登録検査機関(外国登録検査機関を除く。)が第百条の十二第二項各号のいずれかに適合しなくなつたと認めるときは、その登録検査機関に対し、これらの規定に適合するため必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
(改善命令)
第百条の二十二 国土交通大臣は、登録検査機関(外国登録検査機関を除く。)が第百条の十四の規定に違反していると認めるときは、その登録検査機関に対し、同条の規定による検査業務を行うべきこと又は検査の方法その他の業務の方法の改善に関し必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
(準用)
第百条の二十三 第百条の十六第二項、第百条の十七第二項及び前二条の規定は、外国登録検査機関について準用する。この場合において、これらの規定中「命ずる」とあるのは、「請求する」と読み替えるものとする。
(報告の徴収)
第百条の二十四 国土交通大臣は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、登録検査機関(外国登録検査機関を除く。)に対し、その業務又は経理の状況に関し報告をさせることができる。
(立入検査)
第百条の二十五 国土交通大臣は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、その職員に、登録検査機関(外国登録検査機関を除く。)の事務所又は事業所に立ち入り、業務の状況又は帳簿書類その他の物件を検査させることができる。
2 前項の規定により立入検査をする場合においては、当該職員は、その身分を示す証明書を携帯し、かつ、関係者の請求があるときは、これを提示しなければならない。
3 第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
(登録の取消し等)
第百条の二十六 国土交通大臣は、登録検査機関(外国登録検査機関を除く。)が次の各号のいずれかに該当するときは、その登録を取り消し、又は期間を定めて検査業務の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。
2 国土交通大臣は、外国登録検査機関が次の各号のいずれかに該当するときは、その登録を取り消すことができる。
3 前項第六号の検査に要する費用(政令で定めるものに限る。)は、当該検査を受ける外国登録検査機関の負担とする。
(帳簿の記載)
第百条の二十七 登録検査機関は、国土交通省令で定めるところにより、帳簿を備え、検査業務に関し国土交通省令で定める事項を記載し、これを保存しなければならない。
(公示)
第百条の二十八 国土交通大臣は、次に掲げる場合には、その旨を官報に公示しなければならない。
一 登録をしたとき。
二 第百条の十五の規定による届出があつたとき。
三 第百条の二十の規定による許可をしたとき。
四 第百条の二十六第一項の規定により登録を取り消し、又は検査業務の停止を命じたとき。
五 第百条の二十六第二項の規定により登録を取り消したとき。
第十二章 監督
(監督命令等)
第百一条 国土交通大臣は、この法律、労働基準法(船員の労働関係について適用される部分に限る。以下同じ。)又はこの法律に基づいて発する命令に違反する事実があると認めるときは、船舶所有者又は船員に対し、その違反を是正するため必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
② 国土交通大臣は、前項の規定に基づく命令を発したにもかかわらず、船舶所有者又は船員がその命令に従わない場合において、船舶の航海の安全を確保するため特に必要があると認めるときは、その船舶の航行の停止を命じ、又はその航行を差し止めることができる。この場合において、その船舶が航行中であるときは、国土交通大臣は、その船舶の入港すべき港を指定することができる。
③ 国土交通大臣は、前項の規定による処分に係る船舶について、第一項に規定する事実がなくなつたと認めるときは、直ちにその処分を取り消さなければならない。
第百二条 国土交通大臣は、船舶所有者及び船員の間に生じた労働関係に関する紛争(労働関係調整法第六条の労働争議及び個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律(平成十三年法律第百十二号)第四条第一項の個別労働関係紛争であつて同法第二十一条第一項の規定により読み替えられた同法第五条第一項の規定により地方運輸局長(運輸監理部長を含む。以下同じ。)が指名するあつせん員があつせんを委任されたものを除く。)の解決について、あつせんすることができる。
(外国における国土交通大臣の事務)
第百三条 この法律によつて国土交通大臣の行うべき事務は、外国にあつては、国土交通省令の定めるところにより、日本の領事官がこれを行う。
② 行政不服審査法(平成二十六年法律第六十八号)に定めるもののほか、領事官の行う前項の事務に係る処分又はその不作為についての審査請求に関して必要な事項は、政令で定める。
(市町村が処理する事務)
第百四条 この法律に規定する国土交通大臣の権限に属する事務の一部は、政令で定めるところにより、政令の定める基準により国土交通大臣の指定する市町村長が行うこととすることができる。
② 市町村長のした前項の事務(地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二条第九項第一号に規定する第一号法定受託事務であるものに限る。)に係る処分についての審査請求は、国土交通大臣に対してするものとする。
③ 市町村長の行う第一項の事務(地方自治法第二条第九項第一号に規定する第一号法定受託事務であるものに限る。)に係る処分の不作為についての審査請求は、市町村長、都道府県知事又は国土交通大臣のいずれかに対してするものとする。
(船員労務官)
第百五条 国土交通大臣は、所部の職員の中から船員労務官を命じ、この法律及び労働基準法の施行に関する事項を掌らせる。
第百六条 船員労務官は、必要があると認めるときは、船舶所有者又は船員に対し、この法律、労働基準法及びこの法律に基いて発する命令の遵守に関し注意を喚起し、又は勧告をすることができる。
第百七条 船員労務官は、必要があると認めるときは、船舶所有者、船員その他の関係者に出頭を命じ、帳簿書類を提出させ、若しくは報告をさせ、又は船舶その他の事業場に立ち入り、帳簿書類その他の物件を検査し、若しくは船舶所有者、船員その他の関係者に質問をすることができる。
② 船員労務官は、必要があると認めるときは、旅客その他船内にある者に質問をすることができる。
③ 前二項の場合には、船員労務官は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。
④ 第一項又は第二項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
⑤ 船員労務官の服制は、国土交通省令でこれを定める。
第百八条 船員労務官は、この法律、労働基準法及びこの法律に基づいて発する命令の違反の罪について、刑事訴訟法に規定する司法警察員の職務を行う。
第百八条の二 船員労務官は、第百一条第二項に規定する場合において、船舶の航海の安全を確保するため緊急の必要があると認めるときは、同項に規定する国土交通大臣の権限を即時に行うことができる。
第百九条 船員労務官は、職務上知り得た秘密を漏してはならない。船員労務官を退職した後においても同様とする。
(交通政策審議会等の権限)
第百十条 交通政策審議会等は、国土交通大臣の諮問に応じ、この法律及び労働基準法の施行又は改正に関する事項を調査審議する。
② 交通政策審議会等は、船員の労働条件に関して、関係行政官庁に建議することができる。
(報告事項)
第百十一条 船舶所有者は、国土交通省令の定めるところにより、左の事項について、国土交通大臣に報告をしなければならない。
一 使用船員の数
二 給料その他の報酬の支払状況
三 災害補償の実施状況
四 その他国土交通省令の定める事項
(船員の申告)
第百十二条 この法律、労働基準法又はこの法律に基づいて発する命令に違反する事実があるときは、船員は、国土交通省令の定めるところにより、国土交通大臣、地方運輸局長、運輸支局長、地方運輸局、運輸監理部若しくは運輸支局の事務所の長又は船員労務官にその事実を申告することができる。
② 船舶所有者は、前項の申告をしたことを理由として、船員を解雇しその他船員に対して不利益な取扱を与えてはならない。
第十三章 雑則
(就業規則等の掲示等)
第百十三条 船舶所有者は、この法律、労働基準法、この法律に基づく命令、労働協約就業規則並びに協定を記載した書類を船内及びその他の事業場内の見やすい場所に掲示し、又は備え置かなければならない。
② 船舶所有者は、二千六年の海上の労働に関する条約を記載した書類を船内及びその他の事業場内の見やすい場所に掲示し、又は備え置かなければならない。
③ 海上労働証書又は臨時海上労働証書の交付を受けた特定船舶の船舶所有者は、これらの証書の写しを船内及びその他の事業場内の見やすい場所に掲示しなければならない。
(報酬、補償及び手当の調整)
第百十四条 船舶所有者は、給料その他の報酬、失業手当、送還手当、傷病手当又は行方不明手当のうち、その二以上をともに支払うべき期間については、いずれか一の多額のものを支払うを以て足りる。
② 船舶所有者は、給料その他の報酬を支払うべき場合において雇止手当又は予後手当を支払うべきときは、給料その他の報酬を支払うべき限度において、雇止手当又は予後手当の支払の義務を免れる。
(譲渡又は差押の禁止)
第百十五条 失業手当、雇止手当、送還の費用、送還手当又は災害補償を受ける権利は、これを譲り渡し、又は差し押えることができない。給料その他の報酬及び前条に規定する手当をともに支払うべき期間についての給料その他の報酬を受ける権利(これらの手当の額に相当する部分に関するものに限る。)についても同様とする。
(付加金の支払)
第百十六条 船舶所有者は、規定に違反したときは、これらの規定により船舶所有者が支払うべき金額についての次項の規定による請求の時における未払金額に相当する額の付加金を船員に支払わなければならない。
② 船員は、裁判所に対する訴えによつてのみ前項の付加金の支払を請求することができる。ただし、その訴えは、同項に規定する違反のあつた時から二年以内にこれをしなければならない。
(時効の特則)
第百十七条 船員の船舶所有者に対する債権は、これを行使することができる時から二年間(退職手当の債権にあつては、五年間)行使しないときは、時効によつて消滅する。船舶所有者に対する行方不明手当、遺族手当及び葬祭料の債権も同様とする。
(航海当直部員)
第百十七条の二 船舶所有者は、国土交通省令で定める船舶に航海当直をすべき職務を有する部員(第五項において「航海当直部員」という。)として部員を乗り組ませようとする場合には、次項の規定により証印を受けている者を、国土交通省令で定めるところにより乗り組ませなければならない。
(危険物等取扱責任者)
第百十七条の三 船舶所有者は、タンカー又は液化天然ガス等燃料船には、危険物又は有害物の取扱いに関する業務を管理すべき職務を有する者(第三項において「危険物等取扱責任者」という。)として、次項の規定により証印を受けている者を、国土交通省令で定めるところにより乗り組ませなければならない。
② 国土交通大臣は、国土交通省令で定めるところにより危険物又は有害物の取扱いに関する業務を管理するために必要な知識及び能力を有すると認定した者に対し、その者の船員手帳に当該認定をした旨の証印をする。
③ 前条第三項から第五項までの規定は、危険物等取扱責任者及び前項に規定する証印について準用する。
(特定海域運航責任者)
第百十七条の四 船舶所有者は、特定海域(海氷の状況その他の自然的条件により船舶の航行の安全の確保に支障を生じ、又は生じるおそれがあるため、その運航につき特別の知識及び技能が必要であると認められる海域として国土交通省令で定めるものをいう。)を航行する船舶には、海域の特性に応じた運航に関する業務を管理すべき職務を有する者(第三項において「特定海域運航責任者」という。)として、次項の規定により証印を受けている者を、国土交通省令で定めるところにより乗り組ませなければならない。
② 国土交通大臣は、国土交通省令で定めるところにより海域の特性に応じた運航に関する業務を管理するために必要な知識及び能力を有すると認定した者に対し、その者の船員手帳に当該認定をした旨の証印をする。
③ 第百十七条の二第三項から第五項までの規定は、特定海域運航責任者及び前項に規定する証印について準用する。
(救命艇手)
第百十八条 船舶所有者は、国土交通省令の定める船舶については、乗組員の中から国土交通省令の定める員数の救命艇手を選任しなければならない。
② 救命艇手は、救命艇手適任証書を受有する者でなければならない。
③ 国土交通大臣は、左に掲げる者に救命艇手適任証書を交付する。
一 国土交通省令の定めるところにより国土交通大臣の行なう試験に合格した者
二 国土交通省令の定めるところにより国土交通大臣が前号に掲げる者と同等以上の能力を有すると認定した者
④ 国土交通大臣は、次項の規定により救命艇手適任証書の返納を命ぜられ、その日から一年を経過しない者に対しては、救命艇手適任証書の交付を行わないことができる。
⑤ 国土交通大臣は、救命艇手が、その職務に関してこの法律又はこの法律に基づく命令に違反したときは、その救命艇手適任証書の返納を命ずることができる。
⑥ 前各項に定めるもののほか、救命艇手及び救命艇手適任証書に関し必要な事項は、国土交通省令でこれを定める。
(旅客船の乗組員)
第百十八条の二 船舶所有者は、国土交通省令の定める旅客船には、国土交通省令の定めるところにより旅客の避難に関する教育訓練その他の航海の安全に関する教育訓練を修了した者以外の者を乗組員として乗り組ませてはならない。
(高速船の乗組員)
第百十八条の三 船舶所有者は、国土交通省令の定める高速船(最大速力が国土交通大臣の定める速力以上の船舶をいう。)には、国土交通省令の定めるところにより船舶の特性に応じた操船に関する教育訓練その他の航海の安全に関する教育訓練を修了した者以外の者を乗組員として乗り組ませてはならない。
(船内苦情処理手続)
第百十八条の四 船舶所有者は、国土交通省令で定めるところにより、船内苦情処理手続(船員が航海中に船舶所有者に申出をしたこの法律、労働基準法及びこの法律に基づく命令に規定する事項並びに船員の労働条件等に関し国土交通省令で定める事項に関する苦情を処理する手続をいう。以下この条において同じ。)を定めなければならない。
② 船舶所有者は、雇入契約が成立したときは、遅滞なく、船内苦情処理手続を記載した書面を船員に交付しなければならない。
③ 船舶所有者は、船員から航海中に第一項の苦情の申出を受けた場合にあつては、船内苦情処理手続に定めるところにより、苦情を処理しなければならない。
④ 船舶所有者は、第一項の苦情の申出をしたことを理由として、船員に対して解雇その他の不利益な取扱いをしてはならない。
(戸籍証明)
第百十九条 船員、船員になろうとする者、船舶所有者又は船長は、船員又は船員になろうとする者の戸籍について、戸籍事務を管掌する者又はその代理者に対し無償で証明を請求することができる。
(経過措置)
第百十九条の二 この法律の規定に基づき、命令を制定し、又は改廃する場合においては、命令で、その制定又は改廃に伴い合理的に必要と判断される範囲内において、所要の経過措置(年金制度、健康保険制度、雇用保険制度その他の社会保障制度及びこれらに関する政府の特別会計、労働関係調整制度その他の労働関係制度並びに罰則に関する経過措置を含む。)を定めることができる。
(国及び公共団体に対する適用)
第百二十条 この法律、労働基準法及びこの法律に基いて発する命令は、国、都道府県、市町村その他これに準ずるものについても適用があるものとする。
(船舶職員及び小型船舶操縦者法の一部の適用除外)
第百二十条の二 船舶職員及び小型船舶操縦者法第三章第五節の規定は、船長については、適用しない。
(外国船舶の監督等)
第百二十条の三 国土交通大臣は、その職員に、日本船舶以外の船舶(第一条第一項の国土交通省令で定める船舶及び同条第二項各号に定める船舶を除く。以下この条において「外国船舶」という。)で国土交通省令で定めるものが国内の港にある間、当該外国船舶に立ち入り、当該外国船舶の乗組員の労働条件等が二千六年の海上の労働に関する条約に定める要件に適合しているかどうか及び当該外国船舶の乗組員が次に掲げる要件の全てに適合しているかどうかについて検査を行わせることができる。
一 千九百七十八年の船員の訓練及び資格証明並びに当直の基準に関する国際条約に定める航海当直の基準に従つた航海当直を実施していること。
二 操舵だ設備又は消防設備の操作その他の航海の安全の確保に関し国土交通省令で定める事項を適切に実施するために必要な知識及び能力を有していること。
② 国土交通大臣は、前項の検査を行う場合において必要があると認めるときは、その必要と認める限度において、当該外国船舶の帳簿書類その他の物件を検査し、当該外国船舶の乗組員に質問し、又は当該外国船舶の乗組員が同項第二号に定める知識及び能力を有するかどうかについて審査を行うことができる。
③ 国土交通大臣は、第一項の規定による検査の結果、当該外国船舶の乗組員の労働条件等が二千六年の海上の労働に関する条約に定める要件に適合していないと認めるとき、又は当該外国船舶の乗組員が同項各号に掲げる要件のいずれかに適合していないと認めるときは、当該外国船舶の船長に対し、これらの要件に適合するために必要な措置をとるべきことを文書により通告するものとする。
④ 国土交通大臣は、前項の規定に基づく通告をしたにもかかわらず、なお当該通告に係る措置がとられていない場合において、当該外国船舶の大きさ及び種類並びに航海の期間及び態様を考慮して、航海を継続することが人の生命、身体若しくは財産に危険を生ぜしめ、又は海洋環境の保全に障害を及ぼすおそれがあると認めるときは、当該外国船舶の航行の停止を命じ、又はその航行を差し止めることができる。
⑤ 国土交通大臣があらかじめ指定するその職員は、前項に規定する場合において、人の生命、身体若しくは財産に対する危険を防止し、又は海洋環境の保全を図るため緊急の必要があると認めるときは、同項に規定する国土交通大臣の権限を即時に行うことができる。
⑥ 第百一条第三項の規定は第四項の場合について、第百七条第三項及び第四項の規定は第一項の場合について、それぞれ準用する。この場合において、第百一条第三項中「前項」とあるのは「第百二十条の三第四項」と、「第一項に規定する事実がなくなつた」とあるのは「二千六年の海上の労働に関する条約に定める要件及び同条第一項各号に定める要件に適合するために必要な措置がとられた」と、第百七条第三項中「前二項」とあるのは「第百二十条の三第一項」と、「船員労務官」とあるのは「同条第一項の規定により立入検査をする職員」と、同条第四項中「第一項又は第二項」とあるのは「第百二十条の三第一項」と読み替えるものとする。
⑦ 第百十二条の規定は、外国船舶の乗組員について準用する。この場合において、同条第一項中「この法律、労働基準法又はこの法律に基づいて発する命令」とあるのは「二千六年の海上の労働に関する条約」と、「船員労務官」とあるのは「国土交通大臣があらかじめ指定するその職員」と読み替えるものとする。
(命令の制定)
第百二十一条 この法律に基いて発する命令は、その草案について公聴会を開いて、船員及び船舶所有者のそれぞれを代表する者並びに公益を代表する者の意見を聴いて、これを制定するものとする。
(手数料の納付)
第百二十一条の二 次に掲げる者(第百四条第一項の規定により市町村長が行う事務に係る申請をする者を除く。)は、実費を勘案して政令で定める額の手数料を国に納めなければならない。
一 船員手帳の交付、再交付、訂正又は書換えを受けようとする者
二 第八十二条の二第二項の衛生管理者適任証書又は第百十八条第二項の救命艇手適任証書の再交付を受けようとする者
三 第八十二条の二第三項第一号又は第百十八条第三項第一号の試験を受けようとする者
四 第八十二条の二第三項第二号又は第百十八条第三項第二号の規定による認定を受けようとする者
五 法定検査(国土交通大臣が行うものに限る。)を受けようとする者
六 海上労働証書又は臨時海上労働証書の交付を受けようとする者(登録検査機関が検査を行つた船舶に係るこれらの証書の交付を受けようとする者に限る。)
七 海上労働証書又は臨時海上労働証書の再交付又は書換えを受けようとする者
(事務の区分)
第百二十一条の三 第百四条第三項の規定により都道府県が処理することとされている事務は、地方自治法第二条第九項第一号に規定する第一号法定受託事務とする。
(権限の委任)
第百二十一条の四 この法律に規定する国土交通大臣の権限は、国土交通省令の定めるところにより、その一部を地方運輸局長に委任することができる。
② 前項の規定により地方運輸局長に委任された権限は、国土交通省令の定めるところにより、運輸支局長又は地方運輸局、運輸監理部若しくは運輸支局の事務所の長に委任することができる。