数学Ⅲに登場する曲線の名称の由来 | もころぐ

もころぐ

のんびり勉強しています_(:3 」∠ )_ 

現行の高校数学の科目である数学Ⅲ(旧数学C)における“さまざまな曲線”では、リサージュ曲線、カージオイドなど特徴的な形状の曲線が登場する。しかし、その名称はカタカナで表記されるものが多く、直感的な理解を妨げているように思われる。

そこで、今回はそれぞれの曲線の名称の由来をまとめてみた。

本記事では数式を省略し、あくまで言語的な側面に絞って検討した。登場するグラフは当ブログ管理人がエクセルで作成したものである。


リサージュ曲線 

 

 

表記 Lissajous figure
日本語名 特になし。

 

“リサージュ”“リサジュー”などと呼ばれているようである。
フランスの科学者リサジュー(J. A. Lissajous1822~1880)が考案した。フランス語では"ou"は“ウ”と発音し、語末のsは発音しない。よって“リサジュー”と読むのが実際の発音に近い。
リサージュ曲線は互いに垂直な方向の単振動を合成して得られる2次元運動の軌道が描く図形である(*1)。

数研出版の教科書では媒介変数表示の項で登場するため、本記事でもそれに倣って散布図によってグラフを作成した。


リマソン

 

 

表記 limaçon
日本語名 蝸牛形


フランス語で“かたつむり”の意味がある。日本語名はそれを踏襲している。
与えられた点から与えられた円の接線に下ろした垂線の足の軌跡として得られる曲線である(*2)。

カージオイド

 

 

表記 cardioid 
日本語名 心臓形


cardio- で“心臓の”の意味がある。 cardiopulmonary resuscitation で“心肺蘇生”となる。

コップの底に光があたるとカージオイドのような模様が現れることがあり、以外に身近な図形である。

レムニスケート

 

 

表記 lemniscate 
日本語名 連珠形


lemniscateは英語であるが、その由来はラテン語 lemniscatus で“リボンによって飾られた”の意味(*3)。

2定点A,Bからの距離の積が一定である点の軌跡 (カッシニの卵形線という) において,2定点の中点で結節点となる場合をベルヌーイのレムニスケートという(*4)。

教科書では演習問題の最後に、レムニスケートを直交座標から極座標に変換し、その外形をコンピュータで描画する問題があったので、本記事ではその結果を上図のグラフで表示した。


インボリュート


表記 involute 
日本語名 伸開線


in- で“内”、volute で“巻く”の意味があり、直訳すると「内巻き線」となる。対義語で evolute “外巻き”がある。日本語名は、円に巻き付けた糸をピンと張りながら伸ばした時にできる軌跡から。広辞苑では“インボリュート歯車”の用例があり、“伸開線を歯型とする歯車。歯車の中心距離が幾分不正確でも、運動伝達が比較的正しく行われる”と出ている(*5)。

カテナリー


表記 catenary 
日本語名 懸垂線


ラテン語のcatena で"chain"の意味がある。
密度の一様な糸の両端を固定し、自由に垂れ下げた時に糸の作る曲線である(*6)。

【参考・引用文献】

改訂版 数学C 数研出版 p78-p98
*1 リーダーズ英和辞典第三版
*2 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
*3 https://en.wikipedia.org/wiki/Lemniscate
*4 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
*5 広辞苑第六版
*6 広辞苑第六版