今回は非常に面白い漢詩を発見したので紹介します。李白の作品です。
山中與幽人對酌 李白
兩人對酌山花開
一杯一杯復一杯
我醉欲眠卿且去
明朝有意抱琴來
両人対酌すれば山花開く
一杯一杯また一杯
我酔うて眠らんと欲す卿且く去れ
明朝意あらば琴を抱いて来たれ
李白は市中で生活することを避け、山奥で隠居生活を営みました。
「一杯一杯また一杯」とはユニークな表現です。
李白は「詩仙」と言われていますが、非常に酒好きであったため「酒仙」とも言われています。
この作品から、友達と酒を飲み、眠くなったら眠り、琴を弾き、詩を詠む、のんびりとした生活が見て取れます。
いかにも詩人らしい生活ではないかと思います。このような生活では生活資金の調達が問題になると思いますが、おそらく純粋に詩を作ること自体が生計をたてる手段として成立していたのではないかと思います。当時、詩の創作を志した人々にとっては理想的な生活だったのではないでしょうか。
現代社会でいうと、ピアニストとして生きていくようなものではないでしょうか。何かの仕事をしながら趣味としてピアノをやっている方は多くいらっしゃいますが、純粋にピアノで生計を立てることは並大抵ではないものです。李白の生活は、現代の私たちからしても、憧れの生活だと言えるかもしれませんね。
【参考文献】
中国名詩選(中), 松枝 茂夫 編, 岩波文庫