本『年上の女性』をはじめから読む → scene1


それから、彼からの連絡はなかった。

やはり、そんなものなのか、と

拍子抜けする自分に嫌気がさす。

何を期待していたの。

自分で選んだ道じゃない。



コンビニの前を通るのが嫌で、

駅の出口を変える。

もう一つ南口という小さな出口がある。

家から遠回りになるが、仕方がない。

もっと早くこうするべきだった。



一週間が過ぎた。

その間携帯電話が気になって仕方がなかった。

メールが入るとドキドキして、

違ったと力が抜ける。

何をしてるんだ・・そう思って 溜息をつく。



一週間と2日過ぎた頃、彼は、南口で待っていた。

心臓が止まったように思う。

「ちょっと・・久しぶり」優しく彼は笑う。

「元気でしたか?」続ける彼の問いに私は答えない。

心臓は止まったままだ。



ほんの少しの沈黙の後、彼は言う。

「やっぱり駄目でした・・」

また優しく、でも辛そうに笑う。


「洋子さんが、悲しそうに辛そうにしてたから、

そんな顔、させちゃいけないて思って・・」



違う。



悲しそうに辛そうな顔してるのは、歩太くんだよ。

「諦めなきゃ、自分じゃ釣り合わないて・・」



違う。



釣り合わないのは、私だよ。

「でも駄目でした・・やっぱり、逢いたくて、

・・やっぱり、あなたが好きです」

彼の真剣さが伝わってくる。

私は間違ってる?

わからない。


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