本『年上の女性』をはじめから読む → scene1


「ないなぁ・・」

呟いた。

少しショックを受けていた。

大学生でも四年生で来年卒業とか・・

もしくはフリーターで24とか 25とか、

もしかして26かも・・とも思っていた。

落ち着いた雰囲気を持っていたから。



ないか・・



呟いて、呆れた。

どちらにせよ何もないんだから・・。




それから、普通に、

いたって普通に・・

そう思えば思うほど、意識する。

なんとなく彼を考える・・

なんとなく・・

なんとなく・・

なんとなくの時間が、長くなる。

深くなる。

考えいる自分に気付き、

打ち消す自分。

その繰り返し。

そんなことに一喜一憂する自分に疲れる。



こんなことを考えてるのは自分だけ。

彼は何も思っていない。

気を抜くとすぐに期待している。

そして呆れる。

自己嫌悪。



行くのはよそう・・。

無駄なことに時間を費やせない。

考えることは他にもある。

私と彼では違い過ぎる。



私はもう30歳だ。


彼より10も上なんだから。

彼が私の年齢を知ったらどう思うだろう。

いつものように屈託ない笑顔ではもう話し掛けてくれないかも。

私は見た目は若い。

20代前半だと言っても通じる。

引くだろうか。

知られたくない。

彼にだけは・・・・。

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