本『年上の女性』をはじめから読む → scene1


彼と過ごす時間はとても楽しかった。

途中、仕事の話になり、

今の会社は働いて何年目か聞かれたが、

4年と答えた。

実際、今の会社は4年目だ。

私は一度、転職している。

なんとなく、

年齢を探っているようにも思えた。

しかし、それ以上、何も聞いてこず、

彼なりに女性に年齢を聞くのは失礼だと思っているのかもしれない。

前に彼と同じ歳の男に、

しつこく年齢を聞かれ、答えると、

見えないっすね~と感心していた。

失礼な奴だった。

同じ歳でも、色々あるなと思い、

益々彼が良く思えてくる。



結局、私たちは最後まで名前を呼び合うことはなかった。


会計はさすがに10も下の子に払わせるわけにはいかないと思い、

出すと言うが彼は受け取らない。

「自分が誘ったんで」

「給料入ったんで」

コンビニのバイトを思い出して、

かわいらしく思う。

やっぱり硬派な子だな。

思って嬉しくなった。



それから、私たちは何度か食事をするようになり、

電話をするようになった。

3回目の食事で

「洋子さん」

と呼ばれた。

何も気にしていないように見せ掛けて、

実は内心、嬉しくてドキドキしていた。

私はその日の電話で

「歩太くん」

と呼んだ。

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