本『年上の女性』をはじめから読む → scene1


「別に何もないよ。10も下だし。

大学生だよ。ないない」

言って傷付く。

「まぁ~、そうね~、ちょっと若すぎだね~。

相手も気持ち、これからどうなるか、わからないしね」

言われて胸が痛む。

「向こうもそんな感じじゃないし、

大体、おばさん相手にするわけないよ」

「洋子は若いよ」

「実年齢は30だから」

「関係ないよ。そんなの」

そうかな?関係ないのかな?

ねぇ、関係ない?

歩太くん。


「その子・・」

彼・・から・・その子に変わってる。

「彼女いないの?」



彼女・・聞いたことない。



「どうだろ?聞いたことない」

「そうなの」

恥ずかしくて、聞けないでいた。

自分から聞くのも、プライドが許さない。

でも、いないと決め付けてもいた。

改めて考えると、実際どうなんだろう?

いても、おかしくはない。

彼も私に彼氏がいるのか聞いてきたことがない。

気にならないのかな?

普通、気があるなら聞くはず。

「まぁ、ないから!10も下なんて」

口からペラペラ言葉が出る。

誰が喋っているのかな?

私の口を使って、私の思いとは別のことを・・。

「う~ん、そうだね~」

「紗耶香だったら、あり?」軽く明るく聞く。

「私?!ないな~頼りない気がするし。

いつ結婚するの?て感じだしね~

なんか色々心配だし・・まず、好きにはならないかな」

まず、好きにはならない。

「私、トイレ行くから、先に行くね」

「あ、うん。じゃね」


まず、好きにはならない。


まず、好きにはならない。



ワタシハカレヲ、スキニハナラナイ。


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