本『年上の女性』をはじめから読む → scene1


会社帰り、コンビニまでトボトボ歩く。

入ろうかどうしようか。

中を伺う。

彼はいた。

レジにいた。

客らしき、若い女の子と話している。

笑っている。

あの優しい瞳が笑っている。

思わず隠れる。

ザワザワしたものが胸の中に広がる。

隠れる自分が情けなくて、惨めで、私は早足でその場を立ち去った。


おだんごをした若くて可愛い女の子だった。

彼と・・お似合いだったな。

誰?

私以外のお客さんにも、声をかけているのかもしれない。

彼女かもしれない。

だから私に彼氏がいるかも、聞かなかったのかも。

頭はグルグル心はムシャクシャ。


その日、歩太くんからの連絡はなかった。



それからコンビニには行かなくなった。

5日目、コンビニの前で掃除をする彼がいた。

私を見つけて笑顔になる。

「こんばんは」



誰?あの女の子は?



「こんばんは」

言いながら足は止めない。



誰?あの女の子は?



「じゃあ」

と言って、そのまま帰った。

その夜に、彼からメールがくる。

「最近、店に来ないですね」

「忙しいから」

素っ気なく返す。


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