十八世中村勘三郎十三回忌追善

  一.新版歌祭文 野崎村

  二.釣女

  三.籠釣瓶花街酔醒

  

  コロナがすっかりとあけて、華やいだ歌舞伎座。

  桟敷席で弁当をいただく。

  勘九郎は精進しているのであろう、観るごとに味がでている。

  いつもの仁左衛門もいい。元気でいていただきたい。

  「籠釣瓶花街酔醒」。十八世中村勘三郎が襲名披露狂言でも演じた世話物。筋立  

 てが江戸の吉原をある程度知っていないと難しいかもしれない。

 

  実はこの記事を書いているのは4月なのだが、先週、東京芸術大学大学美術館で

 の「大吉原展」に行ってきた。とてもよくできた企画だった。

  開催前に、吉原の暗の部分を指摘して、明の部分のみをクローズアップするのは

 かがなものかと批判があった。

  会場に入るとまず、そのこと、つまり当時の吉原の女性たちのおかれた、文字通 

 り「苦界」であったこと、そしてそれに目を逸らした企画では決してないことがパ 

 ネルに記されていた。

  批判をする方々は、歌舞伎で多くを占める花街、芸者、花魁の登場する演目が、

 公演ごとに取り上げられていること、またテレビや映画で度々取り上げられる大

 奥、どうお考えなのであろう。