日曜美術館展

 台風前日に上野で「日曜美術館展」。上野にいる地方の修学旅行生がとにかく可愛らしい。満面の笑みや斜に構えた表情、同級生との会話の風景、何を見ても泣けてくる。どこから?と尋ねたくなるが、昨今、声をかけてはいけないと自重する。こんな幸せが続きますように。平和が続きますように。

 

 日曜美術館放送50周年の企画。この展覧会は辛口の批評が多く、山下裕二(明治学院教授)は企画したNHKのディレクターに田中一村の作品がないことにかなり激怒していた。だけどどうしても見たかった作品があったので出かけたのです。

 作品一覧をみると、全ての作品を国内の美術館と個人蔵だけでまとめている。だからだろうが、写真OKの作品が少なかった。

 

 会場内には、過去の画像のダイジェストと作品の側の壁やボードにはその作品に対する出演者のコメントがある。面白いものもありました。(大江と岡本)

 ピカソ、ジャコメッティ(横からみると薄い)。フランシスコ・ベーコンの作品には大江健三郎のコメント。

 コメントが面白かったのは、ルドンの目玉の絵(当然、水木しげる、武満徹のも)、ジョルジュ・ルオーには遠藤周作、なぜか寺山修司も。マグリットの絵の色がこんなにきれいだとは!(コメントは藤子不二雄Ⓐ)。ムンクのコメントは藤原新也。

 

 熊谷守一の大学卒業制作の「自画像」。「ヤキバノカエリ」は昨年、熊谷守一美術館で「陽の死んだ日」とともに観たが、今回は「ほたるぶくろ」の色に感動。

 岐阜県美術館はルドンの世界的なコレクションで有名ですが、「ヤキバノカエリ」も所蔵している。

 

 初めて見たのは、松本俊介「Y市の橋」(「N駅近く」は今年SONPOでみた、ちなみに横浜と中野のこと)。と倉俣史朗の「ミス・ブランチ」(斬新な椅子です)。

 

 日本画は普通に若冲、蕭白、蘆雪、北斎。蕭白の「柳下鬼図屏風」を見て、即興で踊りだす大野一雄の映像が観れる。「北斎漫画」のコメントはしりあがり寿。

 

 工芸では吉田三兄弟のうちの立斎と包春の正倉院御物の模造品に感嘆。ちなみにAIに「吉田兄弟」と聞いたら競馬と競輪と津軽三味線の吉田兄弟が出てきてしまいました。

 江里佐代子の截金の作品も初めて。明珍(明治)、高瀬好山の自在置物、安藤緑山の「竹の子に梅」(牙彫)も唸る。是非、ネットで見てください。

語りだすと止まらなくてすみません。最後にいくつか。

 

 「災いと美」とテーマの第4章。知って欲しいのはシベリアの画家、香月泰男。石内都も知って欲しい。

 

 そして、今回はこれを見にやってきました。

 石田徹也。「飛べなくなった人」、「社長の傘の下」。静岡美術館も常に展示しているわけでないので、今回実物を初めて見た。

まだまだ、語りたい作家、作品はあるのですが、読んでくれてありがとうございました。

 展示のラストの撮影可は岡本太郎。

 最後は購入した絵はがきで月岡芳年。コメントは楳図かずおでした。