思い立って、丸子宿にとろろ汁を食べに日帰り旅行をしてきた。

 朝、9時の新幹線で静岡へ、レンタカーを借りて丁子屋へ。到着したのが開店10分前、ちょうど良かった。店を入ってすぐのかつての面影を残す佇まいを楽しむ。十返舎一九さんの像や当時の資料を眺めていると時間きっかりに札の順番通りに呼ばれる。

 部屋は広重さんの部屋。大広間で、畳敷きにテーブルに椅子。「東海道五十三次」が展示されている。注文したのはとろろ汁に麦めしに揚げ物のコース。揚げ物は豆腐と山芋のおかべ揚げととろろに海苔が巻かれた揚げとろ。どちらもおいしい。とろろ汁は白味噌で溶いたもので、優しいお味。箸休めのむかごの和え物がうまい。麦飯二杯目は少し醤油を垂らしてみる。いつものとろろ汁になり、これも安心のうまさ。

 なによりの、帳場の入り口で客を迎える主人から配膳のアルバイトさんまで、気持ちのいいもてなし。名店にあぐらをかき、客が多いとベルトコンベヤーのようなあしらいをする店が多い中、好感が持てた。

 目的はこれだけなのだが、レンタカーの返却を夕方にしてまずは久能山東照宮へ。日本平からロープウェイで向かう。日本平の景色もよかった。東照宮は階段の一段の高さがあり、難儀する。やはり、平日の午後だと、僕や僕より年配の方が多いのでフーフー言っている。一説によると攻められた際に敵のスピードを遅くさせるためだとか。ボランティアガイドさんの説明を聞く。家康の他に信長と秀吉が祀られている聞いて驚く。

 最後は、三保の松原をちょい見。冬の浜辺と海原は気持ちがいい。

 駅について、静岡おでんや焼きそばで一杯といきたいところだが、ぐっと我慢。缶詰の静岡おでんと黒はんぺん、東海軒の駅弁、日本酒(高砂)を家に持ち帰り、晩酌。充実した一日でした。