秀逸な展覧会。パリ・ポンピドゥー・センターの改修にあわせての作品を中心に、50年に一度の規模の展覧会だと言われるのもうなずける。

 まず、最初のセクションにはキュビスム誕生に力を与えた作品群が展示されている。セザンヌ、ゴーガン、アンリ・ルソー、そしてアフリカの仮面や像。そこから14のセクションで、キュビスムが現代思想に与えた影響、ピカソとブラック以外のキュビスムの作家、グループ、変遷がうまくまとめられている。

 どの作品も僕に喜びと知的関心を与えてくれた。

 今回は、あまり借りない音声ガイドを借りた。時代とともに変化する特徴やグループ、声優の男女の声もトーンもよろしい。山田五郎氏の独特の語り口の解説も面白く聞けた。

 これだけで本当にお腹一杯だったが、常設展示にも足を運ぶ。ビッグネームの作品が並ぶ。じっくりとは観られなかったが至福のアディショナルタイムだった。

 そんな中に、梅原龍三郎氏寄贈の作品などと並び、クレジットに「山本英子 寄贈」とされる作品がいくつかあった。小品だが何かほっとさせる作品ばかり。少し、調べてみよう。

 帰りには、軽く食事をして帰ろうと、「じゅらく」へ。有名な店だが、入った記憶はない。店内はこぎれいにして、観光客や外国人がひっきりなしに入ってくるが、てきぱきとこなしている。客は年配者が多いが、客あしらいも小気味がいい。

 軽く食べるつもりが、「大人のお子様ランチ」なるものを注文。オムライス、エビフライ、ナポリタン、ハンバーグに草が少々。あきらかにカロリーオーバー。生ビールにグラスワインまで頼んでしまった。