- ポニーキャニオン
- 家庭〔フランソワ・トリュフォー監督傑作選3〕
★★★★☆
DOMICILE CONJUGAL
BED AND BOARD(95分)
監督: フランソワ・トリュフォー
製作: マルセル・ベルベール
脚本: フランソワ・トリュフォー、クロード・ド・ジヴレー、ベルナール・ルヴォン
撮影: ネストール・アルメンドロス
音楽: アントワーヌ・デュアメル
出演: ジャン=ピエール・レオ・・・アントワーヌ・ドワネル
クロード・ジャド・・・クリスティーヌ
松本弘子・・・京子
クレール・デュアメル・・・アントワーヌの母
ダニエル・セカルディ・・・アントワーヌの父
バルバラ・ラージュ
ダニエル・ブーランジェ
◆ストーリー◆
バイオリン教師のクリスティーヌと花屋のアントワーヌは、仲の良い新婚夫婦。
やがて、子どもにも恵まれる。
しかし、アントワーヌは、商売がうまくいかず、アメリカ資本の会社に雇われる。
そこで出会った日本人女性・京子に心惹かれた彼は浮気。
浮気がバレて夫婦喧嘩になり、彼は家を出たが・・・
◆感想◆
「アントワーヌ・ドワネルもの」5部作の第4作目だそうです。
新婚のアントワーヌは、自分の住んでるアパートの敷地内で怪しい花屋をしている。
花の染色?みたいなことしてるんだけど、どう見ても遊んでるようにしか見えない
やがて男の子も誕生し、何の不満もなく幸せな毎日を送っていたんだけど、アントワーヌのほうの花屋の仕事が失敗し(いつまでもこんなことやっててはダメだ・・・って気付いた?)、アメリカ資本の会社に就職することになる。
就職が決まる過程がまたおかしい。
一緒に面接を受けに来たヤリ手のビジネスマン風の男がアントワーヌがトイレに行ってるスキに社長秘書に自分の推薦状みたいなものを渡すんですね。
社長秘書は、社長にそれを渡し、別の女性社員が、面接に来た男を呼びに行くんですが、そのとき、推薦状を渡した男は、トイレに行っていて、待合室にはアントワーヌひとり・・・
ってことで、推薦状を渡した男とアントワーヌが入れ替わって社長に会うことになり、アントワーヌの採用が決まるわけです。
そして、働き始めてしばらくすると、日本人女性の京子が家族と会社の見学にやってくる。
やがて、アントワーヌは、京子と浮気をするのですが・・・
監督のトリュフォーは、日本女性の描き方に偏見があったとして、失敗作と認めているらしいですが、どこが偏見なのかがよくわからない。(私の認識が甘いんでしょうか?)
京子とルームメイトの日本人女性が出てくるのですが、確かにルームメイトと話す会話は何か違和感があったけど、偏見とは感じなかったけど・・・
それとも、アントワーヌが日本人の女性と浮気をしているということに気付き、帰宅するアントワーヌを着物と日本髪(風)のコスチュームで待ち構えていたクリスティーヌのことでしょうか?
あのシーン、大笑いしてしまいました。
#最近、中森明菜が演歌のカバーアルバム出しましたよね?
あの、ジャケットは、外国から見た日本人女性というイメージだそうで、まさに、クリスティーヌがしていた格好によく似ています。
とりあえず、アントワーヌの弱さとかずるさが目立つ作品だと思います。
京子にモーレツにアタックされても曖昧だったり、プレゼントのバラを捨てようとしたり、あと、自分の子供の名前を自分がいいと思った名前で勝手に出生届出すところなんて、現実だったら許せない!
もちろん、大喧嘩になるわけですが、最終的にそれを許し、浮気したことを許すクリスティーヌの大人の対応とコイツはダメだ・・・と思ったらサッと身を引く京子の潔さ。
ゆったりとした作品だと思うんだけど、アントワーヌの弱さや曖昧さと対照的に女性の強さが印象に残る作品でした。
あと、この作品の面白いところは、途中でフッと謎の人物が登場するところ。
アントワーヌに、「今度返すから」といって、金を貸してくれという男が何度も登場するんだけど、あれ、結局誰?
ラストのほうになると、アントワーヌのほうから喜んでお金を貸すんだけど。
あと、アパートにたびたび現れる無愛想な怪しい男は、”絞殺魔”と呼ばれ、不気味がられてたけど、実は、モノマネ芸人だったとわかって、アパートの人気者になったり。
そして、何と言っても、ユロ!(『ぼくの伯父さん』のあのユロ(ジャック・タチ)です。)
ほんと一瞬なんだけど、電車のプラットホームが映るシーンで、ユロが・・・
独特の動きをしているので一発でわかると思います。
ラスト、京子がアントワーヌに残したメモが日本人にはたまらない。
おそらく、30代以上の人なら知ってる有名な曲(レコード大賞受賞)のタイトルをメモに書き残す。
でも、曲よりもこっち(映画)が先ですが。(曲は、1977年。こちらは1970年。)
ちなみに、フランス語の字幕は、"VA TE FAIRE FOUTRE"。(←翻訳機で調べたら英語だと"GET STUFFED"だそうです。)
