少子化の問題が話題になると、必ず出てくるのが、”合計特殊出生率”。

 

 そこで、やはり大抵出てくる説明が、

 「出生率が2.07であれば、人口を維持できるとされています。」

 というやつ。

 

 まあ、女の人が各自2人生んだら、現状維持になるってのは、わかる。

 でも、この説明は大きな誤解を生む、いい加減な表現だと思う。

 

 今の出生率は1.3くらいなので、2.07にするには、だいぶ頑張らないとなぁ・・・

 と、多くの人が感じる気がするのですが、それ、違います。

 

 

 今すぐ出生率が2.07になっても、日本の人口は減り続け、遠い未来に8,000万人前後で安定するそうです。理由は、日本の人口ピラミッドが歪だから。

 2.07ですぐ安定するのは、各世代がまんべんなく分布している場合のみなんですね。

 (ちなみに出生率が今の調子でいくと、100年後に4,000万人くらいになるらしい。)

 

 

 今は既に、少子化は通り越して、”少母化”の時代。子供を産むことの出来る年齢の女性自体が、極端に少なくなってしまったのです。

 

 移民を除くと、1.2億人の人口を維持するとしたら、今すぐ必要な出生率は4人?5人?もっとかも知れません。婚姻率を60%とすると、結婚したら8人くらい育ててね!っていう話。

 

 

 報道機関が、情報を正しく伝えていないのは、とても悪いことです。問題が問題として認識されないから。大本営発表の失敗と全く同じ。悪気はなくても、統計の読み方にセンスの無い人が、受け売りで社会問題の数字を扱うのは有害ではないでしょうか。

 

 目下、国政選挙中ですが、目先のカネの話ばかりで、極端な人口減少の問題は議論に上らず。これでいいのか??

 

 減少はいいとしても、極端すぎるのはやっぱりいろいろ大変です。

 

 あと、個人の生き方の問題と、全体の傾向の問題を、一緒くたにするのもやめてほしいです。別問題なのに、ごちゃ混ぜにして混乱させて、結局ほったらかしにして、一体どうしたいのかが、わからない。

 

 報道の人、真面目にやって下さい。