私がヒロシの銀座の病院でちょうど働いているときだった。

ある時ヒロシが一冊の本をくれた。


ある自己啓発本だった。


300ページ以上は軽くありそうな分厚い本だ。


どうやらヒロシ文庫のひとつで、今回はなんだかとてもオススメらしく、私だけではなく従業員全員に手渡していた。

この本を手に取った瞬間、私の人生は再びおもしろい波にもまれることになる運命に遭遇してしまった。

読み始めるとあっというまに読めてしまい、そのときの自分にとても必要なことがたくさん書かれていた。あまりにも役に立ちそうなので、ついでに2回読み直した。


時間の使い方や、目標達成の仕方、仕事やプライベートで成功するためのノウハウが盛りだくさんに書かれてあった。

後で知ったが、従業員はだれひとり最後まで読んだものはおらず、どうやらこの私だけが、この本を2度も読んで、ヒロシの気持ちに素直に応えたのだ。


そんなヒロシはたいそうほめてくれた。



その本を読んでしばらくすると、ヒロシが「その著者にあいに行こう」というではないか。


またもやヒロシ、思い付きが派手で気持ちが良い。




その著者はアメリカ人で、日本には住んでいないが、年に数回都内でセミナーが行われているそうで、そのセミナーへ行こうというのだ。

もちろん、その本を2回も読んだくらいだから、私は著者に会いたくて、会いたくて、たまらなかった。

運良くそのセミナーは数ヵ月後には開催予定で、なんとか席も残りがあり入れそうだ。私はヒロシと2人で行くことになった。

それ系のセミナーに参加するのは、初めてでとにかく緊張していた。

そのセミナーは300人ほど集まり、4日間ホテルに缶詰状態になるという。朝から夜中までセミナーは続き、椅子に座って講演を聴いたり、実際に体験して体得したりと4日間もりだくさんのメニューらしい。


火の上を歩いたり、手で板割りをしたり、15メートルくらいある柱からジャンプしたり・・・するという。


かなりあやしい。。。。


結局なんだかよくわからないまま、当日を迎える。