介護の業界にいて、やけに「自信満々」という人に時折出会うことがあります。

 
自己評価が他者評価の3割増し…
…人によっては5割増し…という人もいるのかもしれません…
 
過度に自信過剰なヒト、
マウントを取りたがるヒト、
人の批判の多いヒト…
といった方々について考えてみたいと思います。
 
 
往々にして、多くの人間、自分には甘くなるものです。
自分が思っているほど、
他人から見ると、それほどではない…
ということがままあるものです。
 
そうしたことを、
スタッフさんの勤務評定をしていた時に、より感じたものです。
課題があると日頃感じているスタッフに限って、
自己評価がとても高く、
(自己評価をスタッフさんが付けて、それに対して管理者がコメントと他者評価を付ける制度)
逆に、よくやっていると感じていたスタッフの方ほど、謙虚な自己評価をつける傾向があって、
ダニングクルーガー効果というものを実感しました。
 
(ダニングクルーガー効果)
能力の低い人物が自らの容姿や発言・行動などについて、実際よりも高い評価を行ってしまう優越の錯覚を生み出す認知バイアス。
 

2012年に行われた「なぜ能力の低い人間は自身を素晴らしいと思い込むのか」という調査によれば、能力の低い人間は以下のような特徴があることが分かった。

・自身の能力が不足していることを認識できない

・自身の能力の不十分さの程度を認識できない

・他者の能力を正確に推定できない

・その能力について実際に訓練を積んだ後であれば、自身の能力の欠如を認識できる。

 

「あなたが無能なら、あなたは自分が無能であることを知ることはできない。正しい答えを生み出すために必要なスキルは、正解が何であるかを認識するために必要なスキルと同じである。」

(フリー百科事典『ウィキペディ(Wikipedia)』より)
 
 
特に、小さな組織では、
自己評価がずれてしまいやすい、
勘違いしやすい環境にあると思います。
お山の大将という言葉がありますが、
自分がそのようになっていないか?
「自己覚知」ができるとよいですね。
 
マウントを取る傾向のある人、
自分のことを棚に上げて人の批判の多い人なども、
同じような感性のヒトなのかな…と思います。
 
身近にそのような人がいて困っている方は、
このヒトは、自らを客観的に見る力のないヒトなんだ…
と思って(諦めて)、接するとよいのかなと思います。
 
 
おしなべて、本当にチカラのある人は、
余裕があるので、
あえて自分を必要以上に大きく見せる必要はないので、
虚勢を張るようなことはしないものです。
 

「自己覚知」ということについて、

過去のブログで記していますが、
「自らを客観的に見ることができる」…ということは、
介護、医療福祉の世界に限らず、多くの仕事において、
「大切な感性」の一つと思います。
 
「スキルはあとからいくらでも身に付けてもらうことができるけれど、
人の性格(感性)は変えられない」…
という話を他社で人事の仕事をしている人間から聞いたことがありますが、
私もそのように思います。
自分を客観的に見ることのできる力が、
性格から起因して欠落してしまっているヒトを教育するのは、一筋縄ではいかないでしょう…
 
健全運営(経営)を行っていく上で、
スタッフさんの採用は最重要課題の一つですが、
「悪貨が良貨を駆逐する」ということとならないためにも、
「自己覚知」を行える人なのか?という観点はとても大切と思います。