冷たい雨の日。
このこはやってきました。
産まれたばかりの迷子の仔猫。
びしょ濡れになって、小さな体をふるわせて。
預かるのは、里親さんを探すまでの間っていう約束。
動物を飼うことを、家族は誰も歓迎してなかったのです。
あれから2年。
この子は家族になっています。
一番反対していた母はこの子のことを
「うちの息子」と呼んでいます。
ある日、散歩から帰った父。
「今日途中で仔猫が行き倒れていたよ。
かわいそうに。
うちの息子もひとつ間違えばああなってたんだな。
この子は幸せだなあ。」
隣ではゴロゴロと気持ちよさそうに寝転ぶ
「うちの息子」
本当にそうだなあと。
そして、
私たちも、この子に幸せをもらっているなあ。
とそうしみじみ思いました。
幸せいうことは、
誰かに幸せをもらっていると、
そう気づけること。
気づける自分であること。
そしてまた、
気づかせてくれることが、人があるということ。
今
おとなになった「うちの息子」。
暮れていく空に、何を思っているのでしょうね。

