ジャズが好き、映画が好き…「だったら観ただろ、『BLUE GIANT』!!」と言われるのだが、タイトルを目にしながら、潜り抜けてしまっていた。


台風のニュースや警報に翻弄され(翻弄されるのが正しいのですよ)つい、アマプラで観始めてしまってそのままのめり込んだ。


あらすじを少し紹介する。


仙台に住む高校生宮本大は、偶然耳にしたジャズの曲に惹かれて、サックス奏者、それも「世界一の」サックス吹きを目指して河原で必死に練習を重ね、単身、東京を目指す。


東京で同郷の友人、大学生の玉田俊二のアパートに転がり込む。玉田は大学やサークルで熱もなくやっているサッカーに失望して目標を見失っていた。


宮本は、ジャズのライブハウスを回りながら、ものすごいテクニックを持つ沢辺雪折に出会い、一緒にやろうと誘う。14年間ピアノをやってきた沢辺はサックスを始めて3年しか経っていない宮本をバカにするが、その演奏を聴いて宮本の才能に驚愕する。


目標を見失っていた玉田が「ドラムをやりたい」と言い出し、宮本は賛成するが、初心者を入れることに沢辺は反対する。そうこうしているうちに、大いなる挫折を繰り返しながら、玉田は次第に上達をする。


3人は日本一のジャズの聖地「So BLUE」(言わずと知れた「BLUE NOTE tokyo」に10代で立つことを夢見て、必死で練習を積み、小さなライブハウスから少しずつのし上がっていく。


ストーリーが直線的で、ありきたりではある。よくあるサクセスストーリーでもある。3人の若者たちが青春の汗をたぎらせ、登っていく姿は超絶カッコいいが、僕は3人が夢を叶えて立つ舞台での演奏の前から、ずっと涙をタオルで拭っていた。


演奏は素晴らしい。世界的なピアニストの上原ひろみさんが、音楽を担当し、沢辺の書くオリジナル曲も作曲され、沢辺のピアノも演奏されている。その凄さたるや圧倒される。


しかし、宮本大のサックスの才能を信じ込んでしまうのは、アニメーションの演出と演奏の迫力だろうと思う。(所々でモーションキャプチャーを使っておられた)


僕は実写じゃなくてよかった、アニメだからできた演出でもあると思った。


原作は石塚真一さん、監督は立川譲さん。2023年2月公開。


真っ直ぐに、ウザいほど純粋に信じて努力する姿が眩しいと同時に、才能の有無の残酷さも思い知る名作である。


卓球の名作映画、実写化に成功した「ピンポン」を思い出すなぁ!これも名作ですけどね。