公立教師(一部私立含む)の残業代不支給の根拠となっている給特法。給料月額4%を上乗せする代わりに、時間外勤務や休日出勤に対して、残業代を支払わないとした悪法です。


文科省は先日、この上乗せ分の4%を13%に上げる方向で調整を進めると発表。マスコミによっては、この変更に伴う予算額を大々的に取り上げているが、等級などによっても違うが、せいぜい30時間を大きく割り込む残業代に相当する程度のベースアップでしかなく、民間企業だと労基に「実態に基づいて1分単位で支払え(極端ですが)」と言われることは間違いありません。つまり違法な働かせ方ということです。


定額働かせ放題は、めでたく(もちろん皮肉と怒りを込めて)維持される方向です。抜本的な改善方法が思いつかないのか、提案して失敗した時の責任を取りたくないのか、文科省の発想の乏しさと覚悟のなさにはため息が出る。


はっきり言います。


文科省は、教員の負担を減らす気はないし、教員を目指す若者たちを増やすつもりもありません。どうにか嵐がおさまるのを待っています。東大出のキャリアたち、中でも組織の存続を何よりも重んじるように手懐けられたグループは「自分が痛みを感じない実態」に興味はなく、財務省に予算要求しないといけない提案なんかするはずもないのです。財務省は税金を自分たちのものであるかのように勘違いをして、そのお金をちらつかせて各省をビビらせているのが実態かと思われます。


現場の教員たちは何を思っているか?


4%から13%への変更について「たくさんもらえるに越したことはないけど…そうじゃないんだよね」という声が多いところです。


◯26時間分くらいの給料アップ。自分たちの残業はそんなものではない。きちんとやろうとすると平気で40時間を超えるし、家に持って帰ってやっている分は含まれていない。


◯タイムカードを押してから仕事をしている人もいる。そうしないと明日が来ないからです。


◯現場で能力の低い教員には担任や生徒会担当などの重要な役割を任せられないから、楽をしていて定時に帰宅している。彼らも同じ13%アップ?苦労している人は納得しない。※能力の低い教員、コミュ力の低い教員、保護者対応どころか生徒と向き合って話せない教員はいます。楽をして、趣味を楽しんで、定時に帰宅。管理職は指導をしません。現場の教員に任せます。指導する教員は能力が高い。指導し、報告書を作り、責められる…割にあいますか?


◯これは改善ではなく、悪法の定着を狙っている。世間からの非難をかわすことが目的。文科省の「上げてやったんだから、しっかり働け」という声が聞こえてくる。問題があれば、現場のせいにされる。


◯若くて、能力と情熱がある人が「教師を目指す」方向になりますか?教員志望者が増える確信を持てるだけのデータ収集や分析をしたのでしょうね。賢い人たちなのだろうから「効果的な改正」なのでしょうね。現場の声をどれくらい聴きましたか?


正直、僕は給特法のことを知りませんでした。「お金ではない」と偉そうに言っていたし、そう思っていました。たくさんの感動をもらって、たくさん笑ってたくさん涙を流しました。それが「報酬」だと思っていたし、残業手当なんて意にも介していませんでした。春闘の時に座り込んだり、デモをしたりしていましたが、イベントに過ぎないと思えていました。生徒第一、仲間たちとああだこうだと議論して、互いにフォローし合っていました。


でも当初から「あいつには担任を持たせられない」「あいつに役職は無理だ」と言う声を聞き、どうにかしないといけないと思っていました。でも手を貸す対象は選んでいました。「担任になれなくて泣いてる教師」なのか「担任がなくてラッキーと心底思っている」かです。


現場の負担を激減させて、管理職が旗を振って若手の育成に務め、キラキラ輝く教育を行う現場を創造してアピールする(職場体験でもいい)ことが何よりだと思います。現場から悲鳴や涙しか伝わらなければ、教師なんて目指しません。校長先生以下管理職の先生方、知恵を絞って汗をかいてください。よろしくお願いいたします。


文科省の若手の皆さんには、3年の現場体験をガッツリお願いします。その上で改革に乗り出してください。頼りにしています。