雅楽も能楽も三味線や笛の音楽も、五線譜によって伝えられているわけでなく、口承で伝えられているそうです(例外もあるようですが)。いわばその楽器に固有の言語で、師弟間や奏者間の共通言語と言えるでしょう。「うた」の一種と言えるかも知れません。これは非常に合理的な伝承のやり方で、リズムやメロディー、演奏法だけでなく、紙や五線譜に書き表せない細かなニュアンスも直接伝えることができるんですね。
三味線だと「チン」「トン」「シャン」、鼓だと「ポ」「プ」「タ」「チ」のような、一見無意味な音を組み合わせてうたい、多くの情報を伝えているそうです。能管の「オヒャイヒューイ」とか篠笛の「トロヒャーラーラー」とか、その唱歌を聞いただけで、その笛に独自の世界に引き込まれてしまいます。
アジアの多くの芸能で一般的なシステムのようですが、我らがインドも言わずもがな、というか、聞いたことがないひとなんていないほど、大活躍しています。インドも広いですが、南インドのパーカッションだとこんな感じです。
古典舞踊だとこの唱歌に合わせて踊ったりもするし、映画の音楽やCMに使われたりしています。「コンナッコール」とか「ソルカットゥ」と呼ばれています。まずこれを憶えて練習してから、実際に楽器を練習するわけですから、僕も毎日やっています。風呂やトイレでも、気付くと電車やバスの中でもやっています。いずれ職質モノですね。
思えば子供の頃、夢中になったヒーローがいました。「宇宙刑事ギャバン」です。最近飲んだ同年代の友人たちも、やはりみんな良く憶えていましたよ。メチャメチャ格好良かったもん。ギャバンが宇宙犯罪組織マクーの連中を快調に××るときに流れる曲が面白くて、思えば僕らガキ共は憶えて、練習して、真似していました。今になってよく聴くと、コンナッコールが聴こえてきます。三つ子の魂何とやら、とは良く言ったものです。
