人生初の、ピアノの発表会に挑戦しました。

この日のために練習を重ね。最後のレッスンでも、先生から褒めてもらえて、何ももう問題ない、心配ない、って雰囲気で発表会の日になったのですが…。

 

気がかりはやはり…私の極度のあがり症。極端に緊張して、頭が真っ白になるんです。それさえ起きなければ…と、そのことだけを起きないよう祈っていました。

 

教員もやってたので、人前で話すのはそこまで緊張しないんですが…ピアノはめちゃくちゃ緊張します。

 

ダンスでは私は基本群舞なので、1人っきりじゃないし、そこまで緊張した記憶は…ないです。でもピアノって舞台にたった1人。しかもミスがすごく目立つ。

 

舞台袖で、先生から、いつもの調子でやれば大丈夫!と声をかけてもらいましたが…いざ、弾き始めると・・・自分でも驚くくらい、指が震えてる!!!

 

こんなに最初からここまで震えてたら…最後までいきつくの、無理じゃない??という思いがよぎりました。ここまで緊張して震えてて、最後まで持つはずない。

 

そして…案の定というべきか、こんなところでは絶対失敗しない、ってところで…まず最初のミス。そして頭が真っ白になり、全く音が思い浮かばず、そして適当に音を鳴らしても全部違う。・・・なんともいえない沈黙が舞台上に流れました。

 

やばい。どうしよう。

 

・・・もうそこからは、正直記憶が飛んでしまって、あんまり覚えてないです。

 

記憶が飛ぶ。覚えてない。緊張しすぎて。…ってこと、ほんとにあるんだなあとこの年になって知りました。

 

なんとなく、弾けば弾くほどミスが増えたような記憶と、あと最後の大事なところでやっぱりミスって、そして途中から戻って弾き直した記憶はあります。ミスは8個ぐらいした感じがします。ここまで崩れて立ち止まって…ってのは、正直…今までのどんなレッスンでもなかったです。空港ピアノですらまだましだった。

 

…途中の部分、盛り上がりの部分…弾いてない気がする。全く記憶にないので。でも弾いたんやろか。マジで覚えてないです。

 

・・・ただ、飛ばし飛ばしだったと思うけど、ぼろぼろだし途中なんとも言えない沈黙とかがあったけど、ミスりまくりだったけど、こんなに失敗してボロボロの生徒って、史上絶対いないわ。って自信をもって言えるのですが・・・。

 

もう早くここから消え去りたい。というか、途中、もう帰りたくて泣きたくなりました。ほんとに思い出せないし、もう嫌すぎて。

 

このまま途中で帰りたい。

 

本気でそう思いました。

 

よくわかんないけどとりあえず最後のパートを弾いて、舞台袖にもどって…そしたら他の教室の先生が、笑顔で拍手して(袖なので音は出してないけど)、すごくあったかい笑顔で迎えてくれたんです。

 

別の教室の生徒なのに…こんなにも「頑張りましたね!!」とあったかく迎えてくれるなんて。そのことに私は驚きました。

 

私の先生も、「よく立て直しましたね!」「頑張りましたよ!!」とまずその頑張りを褒めてくださり・・・。

 

ここまで発表会の雰囲気をぐちゃぐちゃにした私に・・・なんでみんなこんなに優しいんだろう。

 

失敗しすぎて、胸が苦しいけど・・・でも・・・、人の優しさを感じさせてもらいました。人って・・・あったかい。私に優しくしてくれる人がこんなにもいる。

 

失敗した人間に、こんなに優しくしてくれるなんて。…申し訳ないのと、自分が情けないし苦しいのと…もう感情がぐちゃぐちゃで、先生に挨拶してから…私はまさに逃げるように会場をあとにしました。

 

コロナ以降、発表会は全体で写真撮影なんかもなくなり、終わったら各自解散方式になっていたのを聞いていたので、もう他の方の演奏も聴かず…私はそそくさと帰りました。

 

もう誰とも会いたくない。誰も私を見ないでほしい。

 

今日は何の因果か、私の家族は誰も発表会に来ていませんでした。

 

夫は年に数回しかない珍しい土曜勤務の日になり、息子もお仕事、そして両親は県外に住む弟家族と会う予定があり。私の身内も知り合いも誰もいない状態でした。

 

今思うと…これでよかったなあと。誰にも私のこの情けなさ過ぎる姿を見られていない…。

 

ほんとは後ろの曲のリストの愛の夢とかシューマンの献呈とか聴きたかったですが…もう気持ちがついていかず。ほんとに逃げました。会場から。

54番目が↑私でした。

もうショック過ぎて…ぼう然として、そして、胸が苦しいです。そして同時に、胸が苦しすぎて全く食欲がないから、これ、このまま苦しさを維持したら痩せれるんじゃない?とつっこんでる自分もいます…。

 

すごくショックだったけど…私は、大失敗する必要があったんだろうなあ、と思いました。そういえば緊張しすぎて大失敗、って…あんまり記憶にないかも。ダンスでの失敗はいくつもありますが、最近は大きなものはない…と、思う。

 

失敗するからこそ…緊張してしまう人の気持ちもあらためてわかるし、失敗してつらい気持ちもわかる。人生全てうまくいってたら、人の気持ちがわかりづらくなることもあるかもしれない。私は…もっと人の気持ちが、失敗する人の気持ちがわかる必要があったのかもしれない。そんなことを思っています。

 

そして…思えば思うほど、この大失敗はつらすぎるけど、でも…最悪、ではないなということ。

 

もしこれがダンスの舞台なら…みんなに迷惑がかかるし、もっとつらい。ピアノは私一人だからまだマシだと思える。発表会の雰囲気は壊してしまったかもだけど、でも基本ピアノは一人(か連弾)だから…ダンスの舞台での大失敗だと、みんなに申し訳なさすぎて、落ち込み方はこんなもんじゃ済まない。

 

そして、私は別にコンクールに出たわけでもないし、大人が初めての発表会に出ただけ。これ…人生を左右するような舞台でミスした人とか…きっとものすごくつらいだろうなと、そんなことを想像しました。その人たちのほうが何億倍もつらいじゃんと。それとか、団体競技で、自分のミスでチームが負けたりとか…それも、死にたくなるくらいつらいはず。そしてそんな経験を持つ人たちってこの世にたくさんいる。

 

そんなことを想像してると…もうその人たちってなんて苦しい思いを抱えて生きてるんだろう、なんて必死に生きてるんだろうと、そんな思いが生まれてきました。

 

サッカー元日本代表の駒野選手なんて…外したことのないPKを外して…PKはむしろ得意だったのに、外して、それでチームが負けて…あの時、ほんとに苦しかったはずだよなあとか、いろんなことも頭に浮かびました。団体で自分のミスでって…つらすぎる。

 

そんなようなことを思っていると…自分の失敗なんて、もうほんとにどうでもいいレベルだよなあと思えてきました。

 

理性ではそういうふうに理解できてきました。が、感情はやはりまだ残って、ショックだしつらいし苦しいです。これはもう…時間がかかるかもしれないことを承知でいるしかないのかも。だけど、それこそ団体の何かとかじゃないから、きっと早めに立ち直れるかもしれない。

 

ただ今の自分は…どうやったらピアノの舞台で緊張せずに弾けるのか?・・・それは、全くわかりません。とりあえず場数を踏む。ってことぐらいしか思い浮かばない・・・。

 

あと、やはり自分が思った以上に練習って必要なんだろうな、ってことも思いました。きっと私は練習量も足りてなかった気がします。もう大体弾けるしこれでいっか。みたいな。・・・だけど、ミスなく弾けるって、ほんとに、相当の、自分が想像してるよりもはるかさらにたくさんの練習があって…ミスらずに弾ける。ってことなのかも。

 

それにしても・・・あれは怖いです。自分が真っ白になる瞬間。もう何もわからないし考えられなくなる。

 

発表会…自分には無理かも。とも思いますが、リベンジできないか。という気持ちもあります。

 

ここまでの大大大大失敗をする人間って、ほんとに珍しいと思います。なので…次はもう絶対ここから上になるに決まってます。マイナス100からのスタートみたいなもんだから、次は絶対プラス、マシになるはず。だってこれ以上の失敗はないくらいに失敗しちゃってるから。

 

発表会って・・・怖くなっちゃいましたが、でも、ピアノの練習は続けます。人前で弾くわけじゃないけど、バッハのインベンションも弾けるようになりたいし、いつかイタリア協奏曲の第一楽章も弾けるようになりたい。目標があるので…ピアノの練習は頑張ります。

 

失敗するって…つらいですね。でも、この経験ができてよかったです。

 

そして…人のあたたかさを知れたこと。優しくしてもらえたことが…すごくありがたかったです。失敗したのに、優しくしてもらえる嬉しさ。

 

私も…そういう人間でありたい。と思いました。

 

失敗は失敗じゃない。逃げ出さずに最後まで頑張ったことが…素晴らしいことなんだと。

 

せっかく胸がずっと苦しいので、なんとかこれをうまいこと使って、食欲ダウン頑張ろう(?)と思います(^^;

 

さて…夜からはコンテンポラリーダンスの舞台のための練習です!振付が先週から始まっているので、これまた頑張らねば…。

 

それでは皆さま、今日も明日も素敵な一日をお過ごしくださいアップ