昨日上映会で見た、「シェーナウの想い」の感想です。
(これは人からもらったプルピエ。別名すべりひゆ。
いい畑に生えて、すごい解毒作用があるらしい・・・)
以下、ネタバレありのまず内容のまとめです。
シェーナウというのはドイツ南西部にある人口数千人の小さな市です。
その市で、チェルノブイリの事故をうけて立ち上がった市民たちが、
原発のない未来を目指して立ち上がり、
電力の革命児となっていきます。
最初は、子どもの未来を憂慮した親たちが、
「情報スタンド」なるものを街中に設置し、
放射能から身を守るために食べ物の情報なんかを紹介していたそうです。
しかし、どこでも一緒ですね、
ほとんどの人は訝しげな目を向けるだけだったとか。
グループの人達は、
「反対するだけじゃなくて、前向きなこともやろう」
ということで、次に節電キャンペーンを展開します。
生活水準を変えずに節電し、
環境に優しい電力供給を目指したのです。
このキャンペーンは成功し、市は1年で10%もの節電に成功。
そこで、電力会社に(一社独占状態の企業です)
基本料金を上げていいから、使用料金を下げて欲しいと訴えます。
ところが電力会社はこれを拒否。
そう、これは一企業との問題ではなく、原子力産業との戦いになるのです。
4年後に契約が切れる電力会社は、次の20年の契約を結べば、
市に無償で500万円を与えると、甘い提案をしてきます。
これで市民有志たちは立ち上がりました。
ここでNoをつきつけないと、また20年も一企業の電力独占状態が続くのです。
市民たちは、数週間で500万円を用意し、
「最後の最後まで戦う」 ことを決意します。
つまり、自分たちで、電力網を買取ることを決めたのです。
それには様々な問題がつきまといました。
電力網を買取り、自分たちの電力会社を作る。
技術的な問題、経済的な問題、そして法律的な問題。
とてもじゃないですが、全てをクリアするなんて不可能にも思えました。
電力会社を作ろうにも、経済産業省に何のコネもないですし、
認可が下りる見通しもありません。
しかも電力網の買取には2億円もの予算が必要とされています。
ようやく電力会社との前倒し契約を住民投票で無効にしたと思ったら、
今度は、住民による電力会社との契約が無効だと電力会社に裁判を起こされるし。
もちろん、市民は真っ二つに分かれています。
素人集団に電力供給が可能なのかと不安視する側と、
住民による電力会社に希望を見出す側と。
もうこの頃にはシェーナウは脱原発のシンボルになっていて、
ドイツ全土からもこの住民投票のゆくえが注目を浴びていました。
そして住民投票の結果は・・・
わずかの差の、奇跡的な勝利。
その勝利に安堵したのも束の間、最後にものすごい難関が。
電力会社が、電力網の買取り価格を、4億5千万というありえない値段に設定。
最初の試算では、2億で買い取れるはずだったのに嫌がらせです。
住民グループ最大のピンチが最後にやって来ました。
この異常な値段つり上げを裁判で無効にさせるには時間がかかりすぎます。
そこで住民グループはどうしたかというと・・・
残りの2億5千万を寄付で集めることにしたのです!
100万人の署名を集められれば、一人250円の寄付でいい計算だとして。
そしたら・・・4ヶ月で1億集まったんです
善意ある銀行がエネルギー基金を作ってくれたり、
ある広告代理店が無償でキャンペーンを大々的に紹介してくれたり。
寄付は、ドイツ国内にとどまらず、フランスなんかからも届きました。
そして旗色の悪くなった電力会社は値段を3億に下方修正。
これで住民グループは電力網を無事買い取ることができました。
現在、シェーナウでは、
原子力、石油、石炭に一切頼らない電力供給を成功させています。
太陽エネルギー、自然エネルギーによる電力装置を推進し、
個人でソーラーパネルやコージェネ装置などの電力装置を設置すれば、
余った電気は住民の電力会社が高く買ってくれます。
そして、会社側は、電力の需要と供給を細かく計算することで、
安定した電力供給をこれまでずっと続けており、
今やドイツ全土に顧客を抱える会社に成長しました。
依存から脱却し、自立への第一歩を実現させたのです。
長い戦いでしたが、彼らの目標は、世界から原発をなくすこと。
さらに、前進し続けなければなりません・・・
見て思ったのは、小さな組織だから何もできない、というのではなく、
小さいからこそ、ここまで大きな変化を起こすことが可能だったんじゃないかということ。
小さな小さな活動が、どんどん大きなうねりになって・・・
自分のやってることってすごくすごく小さなことだけど、
その小さな活動がいつか大きな変化を起こす一つの元になるかもしれない。
そして、目の前にある、大きすぎる壁、難関・・・
乗り越えるなんて不可能に思えても、シェーナウの人々は諦めなかった。
シェーナウの人々はどうしたかというと、
目の前の地道なことを一つ一つやっていったんです。
仲間内で企画が持ち上がるたびに、それを地味にやっていった。
住民たちへの戸別訪問も一件一件行った。
大きな問題に立ち向かう時こそ、足元をしっかり。
大きなことをしようとするのでなく、一つ一つの小さなことを確実にこなす。
それが結果的に薄氷だけど勝利につながった。
大きなことをしようと意気込むのではなく、
目の前の小さなことをしっかり確実にしていけばいいんだって、思えました。
そして・・・いつでも抵抗勢力ってのはものすごいもんだなと(笑)
戦っても戦っても、次々課題が現れて終わらない。
ダークな力は諦めない。しつこい。
そして、最後の最後に一番大きな、こっちが萎えてしまうような課題が出てくる。
そういうもんだよねと、妙に自分としては納得して・・・
だから最後まで気を抜かずに。
連戦の最後で、もう気力も体力も残ってないところでのまたの戦い。
もう無理、と思えるけど、そこで絶対諦めちゃいけない。
そこをふんばれるかどうかで、全てが決まる。
ほんとひどいですね・・・いや、これでもかと打ちのめすところが。
でもそれに負けなければ、可能性はある。
戦いの流れと、希望を教えてもらった気がしました。
そして、そんな長くて辛い戦いが終わっても、
次がある・・・。
彼らの戦いは終わらない
さらに前進し続けなければならない
という終わり方に、みょ~~に腑に落ちるものを感じました。
そう、戦いは、終わらないんです・・・。
どこまで頑張ればいいんだ・・・。
だって抵抗勢力がある限り、戦いは終わらないもの・・・。
でもね、頑張れるだけ頑張ればいいと思うんです。個人的な話ですけど。
映画を見ていて、「ああ、やっぱりなあ・・・」
と思いつつ見ていましたが、
住民のひとりが、
「お望みなら、相手になってあげよう」
と言っていたのを聞いて、はっとしました。
そう、このスタンスでいいんじゃないかと。
お望みなら、いくらでも相手しましょうと。
決して、そこには悲しいだけの悲壮感はなくて。
必要があるから、こなしていく。
それでいいんじゃないかと。
わっかんないけど・・・
そんなことを思った一日でした。数字の000を直前に見たのは、これだったん?
おまけにダンスでも即、今までになかった責任が降りかかってきちゃいました。
20年以上やってて初めての経験・・・
いや、ほんと大したことじゃないんですよ。でもなんか関連ある?みたいな・・・
さあ、気を引き締めてこれからもいこう~
ではでは皆さま、明日も素敵な一日をお過ごし下さいね