みなさんこんにちは(´0ノ`*)
今月、当クリニックでは減塩教室が開かれます。
それにちなんで、今日は塩分と血圧のお話を
したいと思います
血圧とは・・・
血圧=心拍出量×末梢血管抵抗
ですので、
①心拍出量を上昇する要因の
1塩分の過剰摂取でおこる循環血液量の増加
2心臓の収縮力、心拍数の増加
や、
②末梢血管抵抗を上昇する要因の
1塩分の過剰摂取による血管壁のむくみ
2動脈硬化
が血圧を上昇させるといわれています!
しかし、身体の中でどう塩分が作用しているのか、
塩分をとっても血圧が上昇する人(塩分感受性)と
そうではない人(塩分抵抗性)がいるのはなぜなのか、
については未解明だったそうです。
そこで、東大病院の研究で
とても興味深い結果がでています。
塩分摂取による血圧の上昇には、腎臓内で一度排泄された塩分(ナトリウム)が再び細胞内に取り込まれること(再吸収)が関係しています。
通常、腎臓におけるナトリウムの再吸収は、アルドステロンの分泌により促進されます。
しかし、塩分の摂り過ぎによって血圧が上がる場合、血清内のアルドステロンの濃度が下がるにも関わらず腎臓内のMRが活性化し、ナトリウムの再吸収が促進されます。
その結果、高血圧を発症します。
なぜ、塩分では血圧を上げるホルモンであるアルドステロンが作用しないのに、
受容体が活性化し、ナトリウムが再吸収されるのか、
藤田教授らが
ラットでの実験を行いました。
その結果、塩分感受性のラットでは、腎臓においてRac1というたんぱく質が活性化し、受容体を活性化して腎臓でナトリウムの再吸収が行われているということがわかりました。
そこで、Rac1が活性化してしまったラットにRac1阻害薬を投与すると高血圧および腎機能が改善したとのことです。
これはラットの研究ではありますが、
興味深いことに、臨床研究においてもRac1に関わる遺伝子の領域と高血圧との関連が示唆されており、
ヒトの場合にも同様のしくみが存在する可能性があるとのことです。
日本人は
「食塩感受性」の遺伝子を持つ人が20%
「食塩非感受性」の人が50%
残りの30%の人は食塩と他の要因が結びついて血圧が上がる人
だそうです
これをはっきり診断できるようになったら治療の仕方も変わってきたり、塩分をそこまで制限しなくて済むという人も増えるのかも知れないですね(・∀・)
ですが、まだ未解明な部分も多いですし、世界中でも減塩により心疾患など疾患の改善につながっているという報告がありますし、
塩分の摂り過ぎは胃がんなど他の疾患にもつながるので、やはり、摂り過ぎは禁物です!!(・∀・)