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ハコモノ行政に喝!

かねてからお伝えをしていた『中心市街地活性化推進方策調査検討事業』の補正予算案が、本日の予算委員会で審議されました。
結論から言えば、この予算は可決されましたが、『ハコモノありき』の行政のスタンスに対し、一矢報いることが出来ましたので、ここに簡単に報告させて頂きます。

【概要】
 この『中心市街地活性化推進方策調査検討事業』という議案は、駅前商店街を中心とした中心市街地を活性化させる為の手法について検討する『調査費用』として、六百万円を予算化しようとしたものであります。

【初めにハコモノありき】
ご存知の通り、四日市駅前の中心市街地は年々活気が失われつつある傾向にあり、これは市の玄関口としてなんとかせねばならない重要な問題です。
そのための調査研究も当然必要な事業だと思います。
しかし、今回の調査は、最初から『情報発信機能と市民交流機能を持つ施設整備』という結論があり、その裏付けを取るための調査活動であることが審査の過程で明らかになりました。



【繰り返される失敗】
実は同じような発想で、商店街の中には『文化の駅』という施設が以前から運営されていました。
しかし、人の入りが振るわず、又、来場者の固定化といった問題から、本年度でこの事業は打ち切られることが決まっています。
いったい何度同じ失敗を繰り返すのでしょうか?

 【あるべき姿勢】
本来、中心市街地に賑わいを取り戻す手法は、ゼロベースで様々な角度から模索するべきであり、初めに『ハコモノありき』でスタートすべきものではないと思います。
例えば『情報発信基地となるハコモノを作らねばならない』という前提条件が入ると、アイデアの幅が極端に狭められることになります。そもそも情報発信基地を市民が求めていると誰が決めたのでしょうか。今、本当に必要なことは『市民が本当に望んでいること』を見極めて、それを実践していくことです。行政の『上からの押し付け』など不要です。私はこのことを強く訴えました。

 【経過と結果】
予算委員会分科会からの『全体会審査送り』を受けて始まった本日の予算審査。
前述したように『ハコモノありき』の姿勢が明確に見えていました。
その上で侃々諤々の議論を踏まえ、最終的に我が会派『新風創志会』から、以下のような付帯決議案を提出しました。

付帯決議
予算執行に当たっては、情報発信基地や市民交流機能を持った施設整備を前提とするのではなく、中心市街地に賑わいを取り戻すためのあらゆる可能性を模索し、その研究に取り組むこと。




提案したのは我が会派のエース豊田政典議員。
※私は副議長という役職柄、控えました。

※付帯決議とは、『議案そのものは認めるが、こちらの付ける条件を守るように』という意味合いがあり、今回の場合、『中心市街地活性化のための研究は大いに結構だが、ハコモノ前提ではなくゼロベースでの検討をして下さい』という願いが込められています。

この提案に対し他会派からは、
『質疑の中で行政側も柔軟に対応すると言っているので、あえて付帯を決議しなくても良いのではないか』
との意見も出されましたが、これまでにも『議会の承認を得れば全てOK』という認識で行政の暴走を止められなかった苦い経験もあり、我々新風創志会は断固として付帯決議を求めました。

採決の結果、18対14の僅差でこの付帯決議は可決されました。
賛成したのは我が新風創志会8名、政友クラブさん7名、日本共産党さん3名の計18名です。

この付帯決議には法的拘束力はなく、これは無視される可能性もありますが、しかし議会としての大きな意思表示はできたと思います。
本当は否決したかったとの思いもありますが、活性化の為の研究費を否決するのも忍びないとの思いで、付帯決議となりました。

この事が市民の皆様からどのように評価されるのかわかりませんが、取り急ぎご報告まで。



余談ですが、議員は毎議会ごとに自分なりの「テーマ」を持っています。
これは「勝負どころ」と捉えてもらってもかまいません。
実のところ、今回、私はこの案件を天王山と位置付けて取り組んで参りましたので、個人的にはこの結果に大いなる充実感を感じています。
前述の付帯決議をご覧頂ければわかるように、決して無茶苦茶な理屈を述べたつもりはありません。
市民感覚で当たり前のことを論じたつもりです。
半数近くの方(14名)に反対されましたが、なんとか切り抜けることができました。
何件かの応援メールも頂いておりましたが、皆様の叱咤激励に感謝致します。
ありがとうございました。