田治見要蔵学

田治見要蔵学

金田一耕助学に対抗

八つ墓村はいたっけくらい影の薄い存在ですが、ここはあえての大物起用、半沢直樹でいいんじゃないてすかね。「古狸」という通り名に恥じないタヌキ顔だし、あのうさんくさい笑顔で観客を魅了できます。


個人的には、磯川警部のイメージって、テレビドラマ版で長門勇がやった「日和警部」ですかね。

東京舞台にも登場するから等々力警部と合体させたドラマオリジナル頸部ですが、岡山弁ばりばりで話し、古谷田一との掛け合いも最高でした。

誰がやるにしろ、金田一と息のあってるようであってないようなコンビプレイを、新しい八つ墓村でも見せて欲しいところです。

77年版は小川真由美。なかなかの怖さでした。

原作はもうちょいハイカラな感じかな。アネゴ肌のさばけたイメージで出てきますが、次第に影が薄れていきます。


天海祐希とか、宝塚系の人はイメージ的にアネゴ気質と怖さを両方演じられる人多そうな気がしますね。広末涼子なんかも面白いかもしれません。

いずれにせよ、美也子を楽しむコツは、「要蔵と比べすぎないこと」じゃないですかねー

もし要蔵に体力的な部分で断られたとしたら、田治見庄左衛門あたりで少し楽をしてもらう手もあります。尼子の落ち武者皆殺しの首謀者、要蔵のご先祖様ですね。


好々爺然と八人の落ち武者を迎え入れておきながら、いきなり全員殺してしまう闇の庄屋。要蔵とまた違った陰湿さ残忍さを、たっぷりじっとり、見せつけて欲しいですね。


その場合要蔵は、日本に限らず全地球オーディションで選ぶべきでしょう。別にセリフは話さなくてもいいんですから。なんなら人類じゃなく、ゴリラや火星人でも、怖さを見せつけられるなら構わないくらい。

韓国や中国あたりの、あまり日本で顔の売れてないめっちゃ怖い役者さんを発掘できれば、なまじ見たことあるような日本人俳優よりも強烈なインパクトあるんじゃないですかね。日本人だとどうしても山崎努を意識しすぎてしまうところも(演じる側も、観る側も)出てしまいますが、あれはもう、宇宙始まって以来の奇跡と諦めるしかありません。

77年版で山崎努が見せたのが要蔵だとすると、ほかはすべて有蔵無蔵といった所です。フルネームだと山崎努版が「多治見要蔵」、原作と他の映像作品のほとんどは「田治見要蔵」となります。


ごく常識的に考えればコネリーのネバーセイ・ネバーアゲイン、石坂の犬神家と同じ手、つまり「山崎努の再要蔵」が最善手なのは疑いようのないところですね。八十八歳という、八つ墓に似合いすぎる年だったか、89になったかだと思います。多少の老いは、現代の映像技術でごまかせるでしょう。


同じ役を二度やらない役者さんらしいですが、「いや、要蔵は役じゃなくて、あなたそのものです」とでもいって犬神家の遺産クラスの出演料でオファーかければ、「そうかー、ならやるか」という気になってくれるのではないでしょうか。

作品のイケメン枠。

77年版はショーケン。可もなく不可もなく。本人もあまりこの映画は気に入ってなかったようす。基本受け身の存在ですからね。イケメンであれば、特に誰がやっても問題ないかと。

原作の辰弥は、金田一信者で、公開の手記で親族の外見にケチをつける、いささかデリカシーを欠くルッキズム野郎ですが、お兄様と慕って来られるとつい優しく接してしまうおひとよしな一面もあり、まあ憎めません。古谷一行のテレビドラマ版の辰弥は、かなりのバッドエンドを迎えてしまいますが、基本はハッピーエンドを迎えるでしょう。

個人的には、ここにイケメンを投入するから、金田一は貧相で野暮ったい、どう見てももてせうにない男にやってほしいです。八つ墓村の次の事件こと「女怪」ではもてない男の哀愁を思い切り見せつけてますしね。