カムイ書房

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秋葉原『スープカレーカムイ』店主・諸橋亜蘭の小説サイト

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 姫発の陣営よりやや離れたところにある丘陵に、ひとりの男が立っていた。

 みすぼらしい旅装の者。痛いほど日に焼け、埃に塗れている。しかし、その顔は端正を通り越して秀女人のような艶然とした気を漂わせていた

 そして、その美貌の中心で輝く双眸は氷塊をはめ込んだかのように冷たく妖しい輝きを放ってい

 暫時、遠望していた男は、握っていた傍らの馬の手綱を引き寄せた。その身を鞍上に移す。

 男は微笑した。

 複数の感情を隠すための嫣然。

 彼は駒首をまわし、鐙を蹴った。

    男の名は、悪来という。