妻が43歳の若さで 夫が病院を提訴 | ほぼ年中無休 もりぞの内科の「ホンネでぶつかる医療の話」

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専門は糖尿病ですが、内科一般診察しています。時に子供も。糖尿病で病院を迷われている方、介護施設を探している方、ご相談下さい。

 
 
 
43歳で亡くなったのは 大変かわいそうです。
 
ご冥福をお祈りします。
 
 
 
だけどもともとの 基礎疾患が致死的なので 医療側からみたら
 
ある程度仕方ないように 感じます。
 
 
 
 今後 医療訴訟は 確実に増えていくでしょう。
 
 還付金バブルがはじけて、弁護士さんは医療訴訟に目を付けているという噂も。
 
 
記事によると
 
職場でけいれん発作を起こし、東京女子医大病院に搬送。
病院側は、抗てんかん薬の「ラミクタール」を処方。しかし担当医は、薬の添付文書に記載された投与量のおよそ
16倍にあたる、200mgを連日飲むよう指示。
 
 
こう 読むと、医師が 間違えた。
 
ひどい病院だなと。 一般の方は思いますね。
 
 
 これ 実は 全然普通量なんです。
 
 
この薬 添付文書では
 
通常、ラモトリギンとして最初の2週間は1日25mgを1日1回経口服用し、次の2週間は1日50mgを1日1回経口服用し、5週目は1日100mgを1日1回又は2回に分割して経口服用する。その後は、1~2週間毎に1日量として最大100mgずつ漸増する。維持用量は1日100~200mgとし、1日1回又は2回に分割して経口服用する。症状に応じて適宜増減するが、増量は1週間以上の間隔をあけて1日量として最大100mgずつ、1日用量は最大400mgまでとし、いずれも1日1回又は2回に分割して経口服用する。
 
 
と書いてます。
 
添付文書では 25mg から開始しないといけないけど いきなり維持量の200mgから投与したわけですが。 これが 16倍の根拠ですね。
 
実際 最大は 400mgまで使用可能な薬なので特別多い量とは感じません。
 
 
 
 25mgから2週間おきに漸増するような ちんたら した治療 してたら、肝心のてんかん発作が収まりません。
 
 
 そこで 維持量の200mgから 早く発作を止めるために使ったと思います。
 
 
 
でも 今後は 患者を治すより、訴えられない方法を取らないといけないので
 
 
 添付文書どおり 処方するしかないですね。
 
 
 
 かつ 発作も止めないといけないので
 
 
このケースだと
 デパケンと併用しながら ラミクタールを25mgから開始して ラミクタールを漸増、デパケンを漸減していく って しないと 裁判で負ける可能性があるわけね。
 
 
 
 これが一番良いと思ってやっても、添付文書通りにやらなくて 結果が悪ければ訴えられる可能性があるんだね。
 
 昔は
 
 「先生が失敗したみたいだけど、これまでお世話になったし頑張ってくれたから、なんとも思いません」
 
 
なんて 医療側からみたら 古き良き時代は 終了しつつあると思うので。
 
 
 特に基礎疾患が悪性疾患だと、結果悪くなる可能性がかなり高いので 添付文書どおりにしないと、たとえそうじゃない方が良いと思っても NGなんだ。
 
 
 
それでもミス0で 医療行える医師はいないので、裁判や裁判回避の方法等はすべての医師が備えておかないといけない時代でしょうね。
 
 
 
 
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年中無休
もりぞの内科 
(12/311/11/2除く)
糖尿病診療
院長森園茂明
北九州市八幡西区上上津役2-14-17
電話:O93-611-5335
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