誤診で6千万円賠償 女子中学生死亡、長崎
共同通信社 2014年3月12日(水) 配信 Doctors Community 34件
長崎県新上五島町の上五島病院で2010年、入院中の女子中学生=当時(13)=が死亡したのは誤診が原因として、両親が約9千万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、長崎地裁は11日、誤診を認め、運営する県病院企業団に計約6455万円の支払いを命じた。
担当医は腸炎と診断したが、実際は急性心筋炎だった。井田宏(いだ・ひろし)裁判長は「重度の心筋炎を疑い、治療が可能な医療機関へ転送していれば救命できた。転送義務に違反した」と判断。過失はないとする病院側の主張を退けた。
判決によると中学生は10年9月、頭痛や吐き気を訴えて救急外来を受診。病院は投薬などの処置をしたが症状は改善せず、3日後に死亡した。
父親(60)は判決後、「これで娘が帰ってくるわけではないが、肩の荷が下りたと思っている」と話した。県病院企業団は「判決文を見ておらず、コメントできない」としている。
==
心筋炎の見逃しで 巨額の賠償請求をされています。
医療ミスと 言われればそうかもしれませんが 心筋炎は大変見逃されやすい疾患のうちの一つです。
裁判にはなってませんが、 見逃されて命を落としているケースは少なからずあると思います。
私自身に関しては これまでの開業生活で たった1件のみです。 しかも見逃しそうでした。
数年前 初診の
10才前後男児の 18時過ぎの 発熱での受診でした。
この時は 夜の勉強会の予定もあり 早く切り上げたい気持ちの私でした。
呼吸器症状のない 発熱の 男児。
普通のウイルス感染だと思いました。
しかし 収縮期雑音がありました。
このまま 念のための抗生剤と解熱剤で 経過みていこうと思っていました。
しかし ちょっと ぐったりした感じはあります。
胸Xpでは少し 心拡大していました。
心筋炎はこれまで実際に診た事がなかったので頭に浮かばず、何度か診た事のある感染性心内膜炎の可能性もあるかも と この時ちょっと思いました。
でも 可能性は ただのウイルス感染の方が高いと思っていました。
もう 診療終了の時間も近くナースもかえっていました。 勉強会に遅れないように 正直 私も さっさと終わらせて タクシーに乗りたい所でした。 心エコーしてくれる検査技師も とっくに帰宅してます。
で 母親と話
「もしかしたら心臓の感染かもしれませんが、多分普通の風邪だと思います」
と 説明しました。
ここで 母親が
「そうですね。ちょっと家で様子みます」
と 言えばそのまま帰してたと思います。
母親は「心臓の病気の可能性があるなら、心配です」
と言われたので、 大丈夫とおもいつつ
夜間の 救急小児外来を紹介しました。
それで 心筋炎を診断されて 命を落とさずにすみました。
もし 帰していたら、亡くなっていたかもしれません。
そしたら 私も訴えられていたかもしれません。
後日 そのお母さんは 大変感謝してくれて お礼に来られましたが、紹介してよかったと 心から思いました。
心筋炎 めったにないですが 頭にいれておかないといけませんね。
====================
もりぞの内科 年中無休
(12/31 1/1 1/2除く)
糖尿病診療
院長 森園 茂明
福岡県北九州市八幡西区上上津役2-14-17
電話:O93-611-5335