肺がん症例2 | ほぼ年中無休 もりぞの内科の「ホンネでぶつかる医療の話」

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専門は糖尿病ですが、内科一般診察しています。時に子供も。糖尿病で病院を迷われている方、介護施設を探している方、ご相談下さい。


肺がん症例1に加えて 症例2です。




前回の 症例は  ↓参照下さい。



http://ameblo.jp/morizononaika/theme-10078142978.html



同じような CTでの 肺病変です。



当時70代女性


2010年6月の所見です。


矢印で示すのが 異常の所見ですね。




photo:01





前回の症例は 陳旧性の炎症所見と思いましたが

 

今回は  癌の可能性も十分あるなと 思いましたが


患者さんが、手術なんかしたくない 様子見たいと言ってたので経過観察しました。



 


そして 2010年 10月のCT








photo:02





ほぼ 同一所見なので



やっぱり 様子見ましょうかって なると思っていたのですが。



患者さんから、 「今回は、やっぱり心配なので調べたい」 と言われます。


 もちろん 喜んで、大病院に紹介。



大病院で気管支鏡しましたが 確定診断つかずに、 大病院でもCTで経過観察することに。





その後何度か 大病院でCT 撮影しましたが


 


いつも 同じ 所見(サイズ)でした。




2011年 6月。


多分 大病院の先生も、「サイズ変わらないので様子見ましょうか?」って雰囲気だったと想像するのですが。




この患者さん 70代女性ですが、竹を割ったような性格。




先生「もう こんな ちまちま 何度もCTを撮られるようなのは 面倒。 ばっさり切っちゃいたいです。決心しました。」と。


それで 手術となりました。



無事 手術は成功に終わり。



病理診断は Adenocaricinoma




つまり 肺腺癌です。



患者さんは 「やっぱり癌だったので早く切ってもらってよかった」 と喜んでました。



同じく 私にも大変感謝してくれて、現在も当院通院中です。 定期的に胸部CTを当院や大病院で撮影していますが 現時点で再発の所見はありません。




一般的には 早期に癌が発見されて 完治した。 って言われるのでしょうが


 

 私は 最近では この症例は放置してても、死ぬまで大きくならなかったような気がしています。



 発見後少なくとも1年間様子見ても全く変わらない腫瘍(腫瘍ができたのは恐らくもっと前なので1年以上だとと思います。)、これが数年後狂暴化する事より、そのまま10年以上変わらない可能性の方がイメージしやすいです。

 

 

それなら 過剰に検査して、不要な手術をしてしまった事になります。 もう正解はわからないですが、近藤先生の理論を納得し始める経験のうちの一つとなりました。



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もりぞの内科 年中無休
(12/31 1/1 1/2除く)
糖尿病診療

院長 森園 茂明
福岡県北九州市八幡西区上上津役2-14-17

電話:O93-611-5335

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